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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第三章―ファルリエムを継ぐ者―#5
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によってお互いの位置が判るようになったとしか記述がないね」
「秘匿されているのでしょうか?」
私が首を傾げると、レド様が口を挟んだ。
「もしかしたら、魔力量のせいかもしれないな。俺の魔力もリゼの魔力も相当、多い。支援システムが発動した時、かなり魔力を持っていかれた。その成功者たちは、支援システムが発動するには、魔力が足りなかったということも考えられる」
「なるほど…」
そういえば、一つ確かめておかなければならないことがあったんだった。
「おじ様、私たちの契約について、周囲ではどのように認識されています
か?」
「ああ、大丈夫。あの時はただ眩しくて、契約魔術が発動したことしか解らなかったから。祝賀会の最初は、さすがに皆唖然とした空気を引き摺っていたけどね。皇妃もジェスレム皇子もファミラ嬢も憮然としていたのを察した取り巻きが、『捨てられた出来損ないと契約出来てしまうとは、さすが底辺皇子だ』ってご機嫌とったら、コロっと機嫌が直っちゃってさ。本当に馬鹿だよねぇ、あの連中。だから、安心していいよ。あいつらは、ただ契約したとしか思っていないよ」
「そうですか。…レド様?」
レド様が纏う空気が何だか冷たい。
「…俺のことは何と言ってもいいが───リゼを悪く言うのだけは許せないな」
「私だって、レド様が悪く言われるのは嫌ですけど───ですが、あんな人たちに良く言われるのって、逆に気持ち悪くないですか?」
「…そうかもしれないな」
「気にしないのが一番ですよ。言わせておけばいいんです」
ね、と笑いかけると、レド様はやっと空気を和らげた。
「君たちさ、仲良すぎない?昨日初めて会ったんだよね?」
おじ様が何故か、呆れたように呟いた。
◇◇◇
ロヴァルさんがお金を載せたワゴンを押して戻って来たのだけれど───何か…、やけに多くない?
イルノラド公爵の側近に渡されたような、貨幣が詰まってモコモコ状態の布袋が、ワゴン2段を占領するくらい載っている。
「さて、まずは殿下の割り当てられている予算だね。今年度ももう余すところ3か月だから、かなり使い込まれてしまっていて、あまり残っていない。殿下の割り当てられている予算は金貨960枚なんだけど、渡せるのは270枚だね」
レド様は極貧生活してたのに、残り270枚って…、どれだけ使い込んだの、あの下っ端!
「次は、リゼへの子爵としての手当てだね。こちらは、年間で金貨102枚。それと、一番最初は支度金が支給されるから、プラス金貨45枚の計147枚ね」
支度金なんて出るんだ。
「それから、この残りですが。こちらは、殿下がこれまで遠征に行かれた際の褒賞金になります」
「褒賞金?そんなものが出てい
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