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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第三章―ファルリエムを継ぐ者―#4
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境伯は知っていたのでしょうか?」
「いや、知らなかったのではないかと思う。爺様が亡くなったのは俺が16歳のときだ。幼いうちに亡くなったならいざ知らず、知っていたなら、俺に話してくれていたはずだ」
「確かに」
じゃあ、図書室の扉は偶然か。まあ、よくあるというか、図書館、図書室では高い確率で使われるモチーフだしね。
「しかし───俺の魔力が、かなり多いのは判っていたが…、そんな理由だったとは」
「確かにレド様の魔力、本当に多いですよね。私も、魔力切れを起こしたことがないくらい多い方ですが、レド様の魔力には及ばないです」
「…待て、リゼ。もしかして、他人の魔力量が量れるのか?」
「量れるというか、感じ取れます。……………あれ、もしかして、普通は出来ないことですか?」
「そうだと思う。俺は、この左眼のおかげで見ることは出来るから、魔獣や魔物、他人の魔力量などが判るが、普通は判らないはずだ」
え───そうなの?
ああ…、だからか。駆け出し冒険者が魔力量の多い魔物に突っ込んでいったり、逆にベテラン冒険者が魔力量の少ない魔物に躊躇したりしてたのは、そのせいなのか…。
ちょっと不思議に思ってたんだけど、判らなかったからなのか…。
「はは、リゼにもこんなことがあるんだな」
あまりにも朗らかに笑われて、恥ずかしくなる。結構な年数、冒険者やってて、何で気づかないの、私…。
「あんまり笑わないでください……」
「悪い。リゼが可愛くて───つい」
私の赤面は治るどころか、悪化したのは言うまでもない。
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