暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二章―ルガレドの邸―#4
[3/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
けで、さらにその隣の物置部屋は箒やモップ、バケツなど掃除道具やストック類が所狭しと────でも、整然と置かれているだけなので、順番にさらっと覗くだけにする。
次は────この並びでは最後の部屋、洗濯室だ。
◇◇◇
「レド様、私は今見た一人部屋を使わせてもらえるのですか?」
洗濯室の入り口に向かいながら、私は一人用の使用人部屋を使うことになるのかな───と、ふと思ってレド様に訊ねると、レド様は物凄く驚いた表情をして立ち止まった。
「いや、そんなわけないだろう。ちゃんと、2階の部屋を使ってもらう」
「え、そうなんですか?」
でも、今の私は身分としては平民だし────親衛騎士って使用人みたいなものじゃないのかな。
それに、使用人用の部屋っていっても、前世の私の部屋より広いし、あの部屋で十分なんだけど…。
それとも、2階に親衛騎士用の部屋があるのだろうか。
「リゼ────俺は…、お前を大切にしたいと思っている。粗雑に扱うつもりはない」
レド様は私の方に向き合い、ちょっと怒っているようにも聞こえる硬い声で────怖いくらいに真剣な眼差しでそう言った。
気を悪くさせてしまったのかも───と内心焦りながらも、私を大切にしたいというレド様の言葉とその表情に、胸と頬が熱くならずにいられなかった。
「…洗濯室を案内する」
ちょっと気まずい雰囲気のまま、洗濯室の中へと入る。
入って左側に大きなキャビネットが置かれている。ここには、シーツやタオル類などがしまわれているそう。
その隣には向かいの壁まで続くカウンターが設えられている。カウンターの隅にはアイロンが置かれていた。
カウンター上の空間は天井まで全面、格子のついた窓型ライトになっている。一番上段の部分が少し開くようになっていて、そこから洗濯物を乾かすための温風が出るそうだ。
そして、右側には、前世の学校にあった手洗い場のような、長いスロップシンクが造り付けられていた。
その隣、つまり右側の奥には広めのシャワーブースのような洗い場。と思ったら、ここは使用人の浴場も兼ねているとのこと。スロップシンクで洗いきれないものを、この洗い場で洗うらしい。
扉から向かい側の真ん中に、洗濯物を絞るためのローラーが置かれていて、そこで絞ったものを、部屋の中央の天井に吊り下げられた棒に干すようだ。
乾いたら、左側のカウンターでアイロンをかけるのだろう。シーツなら、そのままカウンターの隣のキャビネットにしまえる。
「すごい…、流れがきちんと考えられた造りですね」
私は気まずさも忘れて、ただ感心してしまった。
「だけど、ここにも古代魔術帝国の技術が施されていそうですよね。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ