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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二章―ルガレドの邸―#1
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全身を優しく包んだ後、空気に溶けるように消えてしまった。

「今のは何だ?」

 レド様は、警戒というより困惑しているようだ。

「…あ、これ、もしかして、浄化というか、洗浄?の魔術ではないですか?」
「洗浄?」
「はい。ほら、靴の汚れが消えています」

 ここに来る途中、庭園を突っ切った際、土が柔らかい箇所があって、靴が汚れてしまったのだ。その汚れが綺麗に消えてしまっていた。

「なるほど。邸に入る前に綺麗にしてくれるというわけか。…すごいな」
「本当に」

 レド様が観音開きの大きな玄関扉の取っ手に触れると、扉の真ん中に魔術陣が現れた。カチリと音が響く。

「今度は何だろうな」
「おそらく、鍵が開いたのではないですか?」
「鍵は壊れていて、かけていなかったのだが…」
「改善されたのだと思います。それに先程レド様が触っただけで開錠されたことから考えて、もしかしたら、決められた人にしか開けられないようになったのかもしれません」

 古代魔術帝国の魔術なら、それくらいのハイテクでもおかしくない。

「それが本当なら…、凄すぎないか?」
「ふふ。でも、こうなると、このお邸にどんな魔術が施されているのか、楽しみになってきませんか?」

 古代魔術帝国の魔術を施されたハイテク邸────考えるだけでワクワクしてくる。

「ああ…、そうだな」

 レド様は私の言葉に、口元に笑みを浮かべて頷いた。

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