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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第一章―契約の儀―#3
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司祭に名を呼ばれたので、舞台上へと昇って、不安のせいで重くなった足取りのまま、すでに魔術陣で待機しているルガレド殿下の(もと)へと向かう。

 途中、ジェスレム皇子と舞台の隅へと移動した公女が、誇らしげに赤い両手剣を抱き締めているのが目の端に映った。

 え、何あのすごい色の派手な剣。

 一瞬公女が授けられたらしい剣に意識が行ったが、ルガレド殿下の許に辿り着くと、また不安と緊張に引き戻された。

 魔術陣の真ん中で、ルガレド殿下と向かい合う。私は意を決して───ルガレド殿下を見上げる。

 間近で見るルガレド殿下の顔には、蔑みや訝し気な色は微塵も見当たらなかった。そこにあるのは、私と同じ───不安と緊張。

 私は安堵して、強張っていた顔を緩ませた。

「…っ」

 殿下が驚いたように、右眼を見開いて軽く息を呑んだことに気づき、私は慌てて顔を引き締める。

 まずい───突然にやにや笑ったから、変に思われたかな。


 私はごまかすように、片膝をついた。そして、誓言を述べる。

「わたくしリゼラは、我が力、我が才、我が命を貴方に捧げることを誓います。どうか、貴方の盾となり、剣となる栄誉を、わたくしにお与えください」

「…我、ルガレド=セス・オ・レーウェンエルダは、其方に我が信頼、我が命を預けると誓う。その証として、この剣を授ける」

 耳の奥に残るような低い美声で誓言を述べ、ルガレド殿下がその腰に提げていた剣を手に取り、私へと差し出す。

 柄も鞘も白く、随所を(シルバー)で彩られたその剣を、私は両手で受け取った。その瞬間───足元から突如、強い光が迸った。

「「っ!?」」


【誓言】を認識───発動条件クリア───
契約魔術(コントラクト)】を発動します───


 感情を感じさせない無機質な声が、耳を経由せず、直接頭に鳴り響いた。


(マスター)】ルガレド=セス・オ・レーウェンエルダ───【守護者(ガーディアン)】リゼラ───契約完了
支援(サポート)システム】を始動します───
管理亜精霊(アドミニストレーター)】にアクセス───
 接続許可を申請───許可を確認───【接続(リンク)】───成功
魔力経路(マナ・パス)】を開通───完了
魔力炉(マナ・リアクター)】認知不可───設置します…


「!?」

 直後、身体の奥で、大量の魔力が渦巻く。私はパニックに陥りかけるが、その感覚はすぐに消えた。


───完了───起動───正常
(マスター)】【守護者(ガーディアン)】の魔力同期を開始します───成功
総合魔力量の測定開始───完了───【SSSクラス】と認定
【|特級《エクス
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