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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
序章―除籍と絶縁―#2
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「おまえがSランクの冒険者、だと…?───神託が思うようなものでなかったことを()ね、勉強も修行もしなかったのではなかったのではないのか…?」

 何言ってるの、この男。
 あれ───何か、さっきも同じこと思った気がする。

「私が、拗ねて勉強も修行もしなかった───と。本気でそれを信じてるのなら、公爵閣下、貴方は本当に馬鹿ですね」
「何だと…っ!」

「私が神託を授かったとき───公爵閣下は私のことを役立たずだと言って、聖堂を出て行きましたよね」
「…!あれは…、」

「公爵夫人の方は私を出来損ないだと言って、閣下に続いて出て行きました。それから邸に戻ってすぐに、家令のバセドに使用人棟の屋根裏部屋に連れて行かれました。今からそこが私の部屋だと言われて、私は唖然としましたよ。
夜中になっても朝になっても───1日経っても食事の声がかからなくて、私は部屋から出てはいけないと言われていたけれど、どうしてもお腹が空いて、屋根裏部屋から出ました。メイドの一人を捕まえて、私の食事はどうなっているのか訊ねました。出来損ないの私に出す食事はないと言われました。話しかけるな、とも。
私はこの10年───部屋のことも食事のことも使用人たちの態度も全て、公爵閣下、貴方の指示だと思っていましたが?」

「………私は───そんな指示は出していない…。お前が晩餐に来なかったのは…、神託が武に関するものでなかったことに拗ねて、部屋から出てこないのだと───」

「本気でそれを信じたんですか。私はあのとき6歳だったんですよ?
公爵閣下が騎士団の団長だということは聞いていましたが、イルノラド公爵家の成り立ちや家柄など詳しく知らなかったから、別に騎士になりたいとも、ならなければならないとも考えてはいませんでした。
それなのに───神託が武に関係するものでなかったから拗ねる?──っ馬鹿じゃないの」

「……」

 黙り込んでしまった公爵に代わり、公爵の側近が口を開いた。

「貴女のお話が本当なら───今までどうやって生活してこられたんです?食事は一切出されなかったんでしょう?」

「…メイドと話した後、仕方がないので厨房に行きましたが、やはり出来損ないに出す食事はないと言われました。
どうしようもなくて、夜中、皆が寝静まった頃に厨房に忍び込んで、残り物を漁りました。
でも、それができたのも数日だけでした。残り物は処分されるようになって、パントリーにも鍵をかけるようになってしまったんです。
それで、今度は裏の畑に忍び込みました。皮を()くことも調理することも出来なくて、キャベツの葉を()いでそのまま食べてました。
だけど───それもやはり数日しかできませんでした。すぐに見張りが立つようになったんです」

 あ
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