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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
序章―除籍と絶縁―#1
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が目にすることすら珍しいほど平和で、実戦さながらの武術は廃れつつあったが、前世の私はそれを修めた。
前世の私の生家は、父がサラリーマンのよくある一般家庭だったけど───血筋としては、とある“神社”を守る神官の傍系だった。
その神社には神具が
祀
(
まつ
)
られているとのこと(伝聞なのは前世の私も見たことがないからだ)で───神官となる者は、神具を守るために武技を修めるという習いがあった。
戦国時代に全滅の危機に陥ったことがあるらしく───それ以来、神官となる者だけでなく、一族の血を引く子供すべてに代々伝わる武技の基礎を教え込む習慣ができたそうだ。
一人でも生き残れば、流派が消えることはないというわけだ。
正直、流派が残っても神具が奪われれば終わりだし、前世の私が生きていたあの時代でその心配は必要ないと、今でも思うけれど。
まあ、そんなわけで前世の私は一族に伝わる武術───“刀術”と弓術に、それから馬術を修めた。
基礎さえ修めれば、鍛練は続けるのも止めるのも自由とされていたので、大半の子はそこで止めてしまう。
でも、前世の私は何となく鍛練を続けた。といっても、週に2、3度道場に通う程度だったし───この技術がこれからの人生で活かされることはないだろうと考えていたから、完全に習い事のような感覚だったが。
今世で武術を習ったことがない私が戦えるのは、この記憶を頼りに鍛練したからだ。
ただ、この世界に“刀”はないらしい。剣と刀では勝手が違い、最初はかなり戸惑ったが、今では単独で“魔獣”と渡り合えるくらいには、剣の扱いにも慣れた。
「ねえ、もう、いい加減にしてくれない?貴方たちは私を出来損ないだと言うけれど、何を根拠にしているの?そもそも、私が出来損ないだとしても、貴方が偉くなるわけじゃないでしょう。どうして───そんな態度ができるの?」
「ひ…、ゆ、ゆるして…」
クズ男は、ガタガタと情けなく震えている。
私は溜息を
吐
(
つ
)
くと、短剣を首元から下ろし、クズ男ごと身体を反転させて、クズ男を開いた扉の向こうへ押し遣った。
「公爵にすぐに行くと伝えて。…余計なことを言ったら───承知しない」
「は、はい…っ」
まだ震えが止まらないらしいクズ男が、ヨタヨタと不格好に走り去る。
公爵からの呼び出しか…。
6歳のあの神託の後から10年間、一度も会おうともしなかった公爵からの呼び出し────
この国では、男は18歳、女は16歳で成人となる。誕生日ではなく数えで換算して、建国記念日に一斉に成人と認められる。
その建国記念日は1週間後。私も、その日に成人する予定となっている。
呼び出しは、きっと───成人後の私の
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