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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
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いてはいた。

 貴族に匹敵する立場を手にしながら、後ろ盾もなく蔑視されている皇子に何故────という疑問と共に。

 それでは彼女が────と思うも、寄り添う二人の前にそんな疑問など消えてしまった。

 それほどまでに、ルガレド皇子とリゼラが寄り添う姿は、まるでそれがあるべき二人の在り方であるように、自然だった。




 いつの頃からか、この大陸ではどの国も、王族は専属の守護者を一人選び出し、生涯傍に置くという習わしがあった。

 “親衛騎士”、“守護騎士”、“衛士”など───土地によってその呼び名や選出方法は異なるものの、王族がその生涯で唯一人の守護者を持つということだけは変わらない。

 守護者は主を護り抜く誓いを立て───主は守護者を信頼する証として剣を授ける。

 これは、どの地域であろうと、守護者を任命する際に必ず行われる“契約の儀式”だ。

 この風習がいつ頃から始まったのか、どういう(いわ)れで行われるようになったのか、定かではない。

 ただ、今や伝説となりつつある古代魔術帝国がこの大陸を席巻していた時代には、すでに儀式は行われていたという。



 守護者は主に命を捧げ、その生涯において唯一人だけを護り抜き───
 主は守護者に命を預け、その生涯において唯一人だけを侍らせる───


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