格付け
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零度の笑顔の下にあるマグマの如き怒りにブルマはタジタジである。
「ねえブルマさん。トランクス君は確かにサイヤ人だよ?でもね、まだ空も飛べないし闘えないの。私が助けなかったらトランクス君死んでたよ?ねえ、もし私がトランクス君を見捨ててたらどうするつもりだったの?」
「だ、誰か助けてくれるかなぁって…」
「馬鹿じゃないの!?ブルマさん馬鹿じゃないの!!頭良い癖に馬っ鹿じゃないのーーーっ!!!!」
カプセルコーポレーション全体を揺るがす怒声にベジータは顔を引き攣らせ、トランクスは未来悟飯を叱っていた時の未来悟林の怒声に重なって無意識に背筋が伸びた。
「あのねえ!敵と闘ってる最中に誰かを助ける余裕なんて基本的にないの!!そんな場所に来られても助けられるわけないでしょ!もしトランクス君が死んでたら私は地獄の果てまでブルマさんを追い詰めてぶっ飛ばすからね!!」
超サイヤ人の状態で本気でぶちギレており、怒りのあまりに目が血走っている。
あまりの迫力にブルマは正座し、トランクスも思わず過去の師匠を羽交い締めにして抑える。
「ご、悟林さん!こっちの俺は無事だったんですからどうか怒りを収めて下さい!母さんには後で俺が厳しく言っておきますから…!」
「ちぇっ!トランクスさんは甘いなぁ。私なら2〜3発ぶん殴るよ!?」
「ちょっ!?悟林ちゃんに殴られたら私死んじゃうわよぉっ!?」
「1回天国を旅したら?ひょっとしたら自殺願望が治るかもね」
おっかない笑顔で言う悟林にブルマは顔を真っ青にし、それを見ていたベジータは自分の分を平らげると水を飲んだ。
「ふん、こいつにかかればブルマも形無しだな」
「そ、そうですね…」
トランクスは悟林に叱られてるブルマと、それを見て笑っているチビトランクス、そして我関せずとばかりに食後のデザートの胡麻団子を頬張るベジータを見ながら自分と母親しかいない未来の世界を思い出した。
「(人造人間さえいなかったら、俺もこっちみたいにみんなと…)」
寂しさを感じたトランクスが俯き、それを見たベジータが軽く舌打ちをする。
「さっさと食え、貴様もサイヤ人なら常に戦闘に備えることを忘れるな」
「あ…はい」
胡麻団子を手に取って1つ頬張る。
胡麻はパリパリで団子もモチモチだ。
「お代わりが欲しいなら言ってね。すぐに用意するから」
「ありがとうございます」
トランクスは過去の師匠の手料理を食べながら、あの世界でもう自分のように誰かが理不尽によって家族が揃わないなんてことがないように強くなりたいと思った。
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