第百四十四話 教会に行ってその六
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「本当にね」
「ちゃんとした人が貰わないとね」
「その人はね」
「貰ったら駄目よね」
「本当に野垂れ死にした方がね」
「いいわね」
「そうなってくれたら」
それならというのだ。
「税金を食い潰さないし」
「生きていて周りに迷惑もかけない」
「いいことだよ」
「そうね」
一華も確かにと頷いた。
「そんな人はね」
「俺そう思うよ、ただここまで思われて幸せか」
「そんな筈ないわね」
「うん、皆から悪く思われて嫌われて」
そうした状況でというのだ。
「見放されてね」
「それで幸せか」
「そんな筈がないよ、自分がどう思っても」
この世で一番偉いとだ。
「幸せじゃないから」
「絶対にそうよね」
「そうだからね」
「その人は幸せじゃなくて」
「餓鬼には幸せはないよ」
一華に顔を曇らせて話した。
「絶対に」
「いつも餓えと渇きに苦しめられているから」
「それでね」
そうした状況でというのだ。
「幸せか」
「そんな筈ないわね」
一華も言った。
「もう」
「そうだよね」
「それで人間の身体でも」
「心が餓鬼になったら」
「今お話している人みたいに」
「大体その人不平不満ばかりだっていうね」
「そうそう、何をしてもらっても」
人にというのだ。
「感謝しないで」
「不平不満ばかりだね」
「人の部屋に勝手に入って本漁るけれど」
そうした行いをしてもというのだ。
「平気だけれど本を貸してもね」
「感謝しないね」
「聞いたお話だと」
その人についてというのだ。
「有り難うって言わないで」
「そうだよね」
「偉そうにふんぞり返って」
そうしてというのだ。
「借りた本がどう駄目か」
「言うだけだね」
「笑顔も偉そうで」
そうであってというのだ。
「そうらしいわ」
「そうだよね、ものを借りても」
「感謝なんてね」
「しないで」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「偉そうにね」
「言うだけだね」
「それで本を読んでも」
一華はここで気付いたことがあった、そうして隣にいる達川に対してその気付いたことをそのまま言った。
「何も学ばなくて」
「偉そうに批評するだけだね」
「ここが悪いそこが悪いって」
「それじゃあね」
達川もここまで聞いてこう言った。
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