第3章
3-1
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
不老泉 という酒でね 天然酵母仕込みらしい 昔ながらの仕込みで 最近すごく人気らしい 貰ったものだからー」と、おじさんも好きなのだろう 自慢げに勧めていた。
「奥様 良かったら ワインもありますのよ」
「あっ 私も 少し そのお酒をいただきます そのー 奥様って言い方・・・」
「そう じゃー 香月さん 以前のお店で何度かお話しているから、まるっきり他人とは思えないわねー」
「はい 覚えています それに、幼稚園でも小学校入った時も 翔琉君と水澄がご一緒だったから・・・」
「そうでしたね 水澄ちゃんが 少し翔琉に似ている子って 印象深いですわー」
私達は眼の前のきゅうりととびっこの細巻と厚焼き玉子、椎茸の甘く煮たものの細巻をつまんでいたのだけど、そのうち、おじさんが
「さぁ 握るかー 本まぐろ、氷見の鰤、明石の鯛、広島の穴子の照り焼きだ」と、立って前掛けを締めだした。
「この人ね 若い頃 寿司職人目指したんだけど 手がごっついから 繊細なことできないってあきらめたんだってー」と、おばさんが言っていたけど、その握ってくれるお寿司は、とっても美味しかったのだ。
「いゃー おいしいですねー 高級すし屋 そのものですよー」と、お父さんもお酒も進んで、浮かれてきているみたいだった。
「この人ね こーいうの楽しいみたいなんです お酒も大好きなんですよー かかせないみたい」と、おばさんが
「なんだよー ひとのことを アル中みたいにー」
「あらぁー 最近はお歳のせいか 控えているみたいだけど 家ん中では遠慮してるのか 翔琉が生まれる前後なんか 私が構ってあげなかったから、ストレスもあったんだろうけど 毎晩のように、散歩の振りしてふらふらと公園なんかで飲んでいたんでしょうよ」
「おぉ それは 男の醍醐味ですなー でも 不審者扱いされたのではー」
「そーなんですよー 度々ね でも ドキドキする楽しいこともこともあったんですよ」
その時、私達へのお寿司のお皿を運ぼうと思ったのか、お母さんが立ち上がったて椅子の脚につまづいたのか、よろけてしまってー お母さんの手をおじさんが咄嗟に支えていた。少しの間があって
「いゃぁー」と、お母さんの悲鳴がして、その場でしゃがみこんでいた。みんなが、その時固まっていたみたい。
「どうした 民子 大丈夫か?」と、お父さんがお母さんの肩を抱いて、声を掛けていた。
「あっ ええー すみません 私ったらー 久々なので酔ったのかしら・・・ 主人以外の人と手を握ったことが無いのでー 動揺しちゃってー」
「いゃ いゃ 僕のほうこそ 失礼しました 咄嗟だったので・・・」
「まぁ 香月さんって 純情なのねー ご主人とはどこで出会ったのかしらー」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ