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彼は いつから私の彼氏?
第3章
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 不老泉 という酒でね 天然酵母仕込みらしい 昔ながらの仕込みで 最近すごく人気らしい 貰ったものだからー」と、おじさんも好きなのだろう 自慢げに勧めていた。

「奥様 良かったら ワインもありますのよ」

「あっ 私も 少し そのお酒をいただきます そのー 奥様って言い方・・・」

「そう じゃー 香月さん 以前のお店で何度かお話しているから、まるっきり他人とは思えないわねー」

「はい 覚えています それに、幼稚園でも小学校入った時も 翔琉君と水澄がご一緒だったから・・・」

「そうでしたね 水澄ちゃんが 少し翔琉に似ている子って 印象深いですわー」

 私達は眼の前のきゅうりととびっこの細巻と厚焼き玉子、椎茸の甘く煮たものの細巻をつまんでいたのだけど、そのうち、おじさんが

「さぁ 握るかー 本まぐろ、氷見の鰤、明石の鯛、広島の穴子の照り焼きだ」と、立って前掛けを締めだした。

「この人ね 若い頃 寿司職人目指したんだけど 手がごっついから 繊細なことできないってあきらめたんだってー」と、おばさんが言っていたけど、その握ってくれるお寿司は、とっても美味しかったのだ。

「いゃー おいしいですねー 高級すし屋 そのものですよー」と、お父さんもお酒も進んで、浮かれてきているみたいだった。

「この人ね こーいうの楽しいみたいなんです お酒も大好きなんですよー かかせないみたい」と、おばさんが

「なんだよー ひとのことを アル中みたいにー」

「あらぁー 最近はお歳のせいか 控えているみたいだけど 家ん中では遠慮してるのか 翔琉が生まれる前後なんか 私が構ってあげなかったから、ストレスもあったんだろうけど 毎晩のように、散歩の振りしてふらふらと公園なんかで飲んでいたんでしょうよ」

「おぉ それは 男の醍醐味ですなー でも 不審者扱いされたのではー」

「そーなんですよー 度々ね でも ドキドキする楽しいこともこともあったんですよ」 

 その時、私達へのお寿司のお皿を運ぼうと思ったのか、お母さんが立ち上がったて椅子の脚につまづいたのか、よろけてしまってー お母さんの手をおじさんが咄嗟に支えていた。少しの間があって

「いゃぁー」と、お母さんの悲鳴がして、その場でしゃがみこんでいた。みんなが、その時固まっていたみたい。

「どうした 民子 大丈夫か?」と、お父さんがお母さんの肩を抱いて、声を掛けていた。

「あっ ええー すみません 私ったらー 久々なので酔ったのかしら・・・ 主人以外の人と手を握ったことが無いのでー 動揺しちゃってー」

「いゃ いゃ 僕のほうこそ 失礼しました 咄嗟だったので・・・」

「まぁ 香月さんって 純情なのねー ご主人とはどこで出会ったのかしらー」
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