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星河の覇皇
第八十七部第二章 膠着状態に入りその七十一
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「神じゃないんだ」
「アッラーの前には実に小さいです」
「それこそ宇宙の中の塵だろ」
「それに等しいですね」
「どんな偉大な人でもな」
「アッラーの前では小さいですね」
「そうしたことがわかっていないとな」 
 信仰が薄く、というのだ。
「やっぱりな」
「駄目ですね」
「ああ、そう思うな」
 先輩としてはだ。
「本当に」
「俺も思います、そう言われると」
「連合もだろ」
「凄くないですね」
「ああ、あの国は豊かなだけだ」
 数と技術そして総生産が凄いだけだというのだ。
「そんな国は幾ら巨大でもな」
「それだけですね」
「ああ、けれど俺達は違うだろ」
「サハラは」
「信仰がある、信仰があるとな」  
 それならというのだ。
「それだけでな」
「全く違いますね」
「ああ、だからな」
 先輩はさらに話していった。
「これからもな」
「信仰を忘れないことですね」
「俺の親父は色々いい加減でもな」
 家族の話を笑ってした。
「それでもな」
「信仰のことはですか」
「ああ、法学者だったからな」 
 イスラムのそれでというのだ、イスラム教は基本聖職者は存在せず法学者という世俗の存在がいるのだ。
「食いものに意地汚くて生活もだらしなかったけれどな」
「信仰のことはですか」
「厳しくてな」
「先輩もですか」
「そこは厳しいつもりだよ」
 その父にお知られた通りにというのだ。
「実際にな」
「そうなんですね」
「それでな」
 後輩である兵士にさらに言った。
「今もこう言ってるんだよ」
「まずは信仰ですね」
「ああ」
 何といってもという言葉だった。
「それがあることが人も国もな」
「第一ですね」
「お前も無神論者は信じないだろ」
「何するかわからないですよ」 
 兵士は無神論という言葉自体に強い否定を見せた、サハラでは無神論即ち信じる宗教がないということは自分が拠って立つ信仰つまり良心が存在しないとみなされるのだ。それで彼もそうした顔になったのだ。
「そんな奴は」
「そうだろ、だからな」
「信仰があるかどうか」
「それは絶対なんだよ」
「そしてそれが薄いと」
「ないよりずっとましでもな」
 それでもというのだ。
「薄いより篤い方がいい」
「それは事実ですね」
「ああ、だからな」
「サハラは連合には劣っていないですね」
「技術も豊かさも手に入れられる」
 連合が持っているそうしたものはというのだ。
「努力したらな、けれど信仰はな」
「そちらも努力して手に入れられますが」
「それでもだろ」
「はい豊かになるよりもです」
「もっと努力しないと備わらないだろ」
「そうですよね」
「俺達はもうそれは持っているんだ」
 その篤い信仰心をという
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