8.転生者の逆夢。
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もうクリーム溶けてそうな気がする(泣))とバッグを置いて、私はカーペットの床に正座した。
「……えっと、発砲の件について処理していただけますでしょうか……」
ジト、と降谷さんに睨まれる。ウゥ、すみません。
少しの間その居心地の悪い視線に晒されてより高まる緊張に身を縮めていると、彼はまたハァと溜め息を吐いた。
「……まあ、結果はどうであれ被害者を助けようとしたようだし、犯人は確保したわけだ。しかし今後は慎め」
「は、はい……」
降谷さんのジト目が変わってくれません……ヒエ……。
ふっと降谷さんの視線がそれて彼の眉間にしわが寄る。そのまま片方の掌がご自身の前髪をくしゃりと握った。
「かと言って、撃つなと言ったら君は被害者を庇って車の前に飛び出しそうだからな……」
……。
そ、そんな気は……。
……少しだけしますね! ま、間に合えば……?
ヒエ、降谷さんの睨みがより強くなった。
「……もしくは目立つあの銃を使う」
ひっ。
で、できるだけあれを使わないようにと拳銃を使ったのでは、あります、けど……。
そういえば、《 敵石化 》や《 スロウガ 》を使う手はあったのかもしれない。両方ちょっとその後に困りそうだけど……。
「……指示してくる」
ジト目のまま降谷さんはスマホを取り出し席を立つとこの場を離れていきました。
「は、はい……! ありがとうございます!」
ぱたりとドアの開閉音。
いくらなんでも呑気にケーキを頬張る気は起きなくてそのままお待ちする。
奥の方に向かわれたのでお帰りになるにしても必ずここを通らなきゃいけない。
さすがに足がしびれてきて、でも正座をやめる気にもなれず。
……あんなに寝付けなかったはずなのに、うとうとしてきて、こんな時にと自分で呆れて踏みとどまろうとしたけれど、何故か抗い難い。
……情け、ない。
でも多分、私は愚かにも降谷さんがいらっしゃったことに、安心してしまっている気がする。
眠い、なあ。……眠い。独りぼーっとしていると、余計に眠い。
けれど。
今日は、七日なんですよ。
「……ええ。そちらの研究員の櫛森についてです。……そうです、今月も駄目なようです。余程ショックが長引いているようだ。休ませても? ……はい。ありがとうございます」
そんな降谷さんの声が聞こえた気がしました。
ああ……降谷さんは私の心療内科の主治医という設定でしたっけ。この連絡をするための声だけだけれど。
もしかしたらお忙しいのにこれのためにこの部屋に来てくださっていたのでしょうか。
それなのに私がいなかったから怒っておられるのかもしれません。申
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