7.降谷さんの朋友。
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更に問題なのは必殺技である《 魔弾の射手 》をだと思う。《 チャージブラスト 》同様引き金を引いた瞬間に着弾が決まっている。そして照準→閃光→着弾と、《 チャージブラスト 》と同程度の時間がかかっているように見え、私自体も発砲後二、三秒硬直する。
そんな隙はできるものの、有効射程距離はあの訓練場では測定不能な程だった。
あそこどうやら地下深くにあるようで、長距離射撃用のとあるレーンだけは500mある。……赤井さんが1キロ近くを撃ち抜いていたみたいだけど、まさかね……何の努力もなく似た真似ができたら……嫌すぎる……。
ふと思ったけれどそういえば、ゲーム内では近距離減衰仕様だった。着弾までの時間が近かろうが遠かろうが変わらないってことは、遠いほうが弾速が上がるわけで威力が高いのも頷ける。現実で考えれば、だけれど。
結局詩人と機工士の近距離減衰が消えなかった恨みは根深いし、『現実』を知った今でもその不満は分かる。ゲームと現実は全然違う。
「『無』……」
色々複雑な感情は置いておいて、私はまた反芻して、目を閉じる。
「普通は結構難しいことなんだけど、君には『恐れ』があるから、逆にそれを強みにできるかもしれない」
「『恐れ』が強みに……?」
「勝手に撃つことを躊躇する要素を既に一つ持ってるってことさ」
「! ……考えたこともありませんでした。弱い点だと、思っていました」
ふふ、と諸伏さんが笑う。
「拳銃を持つようになったらきっと、そっちは『取り出す』行動がいったんの歯止めになる。
だけどスナイパーのほうは物理的には準備しないことになった。あれに関しては、大きなものを持ち運びも組み立てもしなくていい利点を重要視されたみたいでね。だから、君が自分自身で抑えるべき時に抑える必要があるんだ。きっとやれるさ」
「……本当に、たくさん、たくさん考えていただいて……ありがとうございます……」
泣きそう。
「ふふ。これからを思えばすぐそうやって泣きそうになる謙虚さも捨てていかないとね。図太くならなきゃ」
「! ……はい……!」
私が踏み入ろうとしている世界は、とても厳しいところだ。だから、肝に銘じる。
「少しずつ頑張ろうな」
ああ、笑顔が眩しい。
「はい! 本当に、ありがとうございます!」
私も少しでもいい笑顔が出来ていたらと、願う。
────それから。
真面目にセーブしつつリハビリを頑張って、こっそり《 快気 》を挟んで回復を後押ししつつ(チート万歳……)、ある程度動けるようになったら退院して通いでリハビリを続けて、降谷さんに許可をいただいたことだけトレーニングをし始めて、人並みに動けるようになってから、三
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