7.降谷さんの朋友。
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人に伝えないんだけどね、汀さんの協力者としての番号は、2222なんだって。ゼロがゾロ目なのを面白がってた」
私は思わず吹き出した。すごい偶然ですね?
そういえば映画で見た協力者さんの番号は2291でしたね。原作の四年前には既にそうだったはずだから、七年前な今、それより数値が小さいのはあり得ることなのかもしれない。
前世の記憶ってほとんどが曖昧なんだけれど、数値系とかは無駄に覚えているみたいなんです。そういうの妙に調べてたおぼえがなくもない。円周率とかをムキになって覚えた感覚と同じものなんだと思う。
「なんだかこう……妙なところで妙な笑いのツボを押さえてきますね……なんでしょうこれ……」
「あはは。面白いのは良いことじゃないか?」
「張本人としてはなんだか複雑です」
本当、なんですかこの状況。
「さて、連絡事項はこれくらいかな。で、スナイパーの心理なんだけどね」
諸伏さんは、ふ、と小さく息をついて、一瞬瞑目しました。
「本格的には、治ってから訓練場で伝えたいと思ってる」
「はい……! ありがとうございます」
首が動くって素晴らしい(再)。
諸伏さんがにこっと笑っていました。尊い笑顔です。
「言葉で伝えるとしたら……色々考えたけど、『無』になること、かもしれない」
「『無』……」
反芻する。
「ああ。君が一番恐れてるのは勝手に使ってしまうことみたいだからね。
ひとつはひたすら冷静になること、だと思う。君が『当てるため』には必要がないかもしれないが、これは正確に命中させるためのオレの心理でもある」
スナイパーって静かなイメージがありはする。精密な行動だものね。
「勝手に使うって場合は熱くなってるってことだからね。本当に必要な事かどうかって冷静になることは重要だろう? だけど、熱くなってるってことはそれが難しい場合があると思う。
君の場合は特に、じっくり照準を定める時間を必要としない。普通は速さは強みだが、君の恐れを考えると今はまだデメリットだ。だから、何かあったら『無』になることを考える癖をつけられたらいいのかもしれないと思った。ひとまずは何より、『無』になる。『撃たなければ』と思ったら、いったん『無』になる」
撃つと思ったらもう照準のための時間は私には存在しなくなる。
基本スキルの《 チャージブラスト 》には1.44秒という一定のキャストタイムは発生するけれど、それは単なるシステマチックなもので、私自身が何か行おこなっているわけではない。引き金を引いた瞬間に着弾することは決まっている。そして厄介なことに準備キャストが始まれば自分ではもうとめられない。
どんな時でも一定の間を費やすだけで必ず命中するチート。
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