第六章
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「彼はまさにだよ」
「そうであって」
「そしてだよ」
そのうえでというのだ。
「私は彼を保守とは絶対に認めないと言っているんだ」
「似非で下種ですか」
「そもそも保守は学び経済や貿易、モラルも宗教も科学を知り」
そうであってというのだ。
「偏見も打破する」
「それが保守ですね」
「彼もお仲間も全くの逆じゃないか」
「確かに」
三森もその通りだと頷いた。
「そうなりますね」
「それで何が保守か。愛国を保守と言っても」
「そんなことを言うのなら」
「似非以外の何でもないよ」
「そうなのですね」
「そう、そして」
小林は忌まわし気に言った。
「彼等には何を言っても無駄だよ」
「変わりませんか」
「変わる、よくなるにもね」
それにもというのだ。
「ある程度の資質、自分を振り返っていいのかどうかね」
「わかる位のですか」
「ものがないと駄目だよ、しかしね」
それでもというのだった。
「そこまで恥知らずだとね」
「自分を振り返ることもですか」
「反省というけれど」
「それもしないで」
「誰が言っても反発して怒るだけで」
「変わらないですか」
「そして愚かなままなんだよ」
そうだというのだ。
「人に反省しろというのは偉そうでも」
「自分でいいかどうかですね」
「時々でも振り返る位でないとね」
「よくならないですか」
「そうだよ、だからね」
そうであるからだというのだ。
「こうした輩は全く反省しないで」
「最底辺なままですね」
「そうだよ、何処までも腐敗していくよ」
「まさに最も恐ろしい腐敗がはじまるですね」
「その通りだよ、だから彼等は同じ様なものしか読まず」
「同じ様な人が書いた」
「そこから出ないでね」
そうであってというのだ。
「成長しない、恥も外聞もなくね」
「ああしてですね」
「保守でも何でもない、愛国の国士様でもない」
「売国奴としか言い様のないことを言いますね」
「そうだよ、ああなってはね」
小林はこれ以上はないまでの軽蔑を込めて言った。
「ならないよ」
「全くですね」
三森は心から頷いた、そうして彼は文学者として学んでいった。その結果彼は似非と言われることは生涯に渡ってなかった。
五十一番目の州 完
2024・9・26
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