2 出会い。
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いじめっ子達を撃退してから数日後、丈流が日課となっているランニングを行っていた。
「すぅ……はぁ……!はぁ……ふぅ……!」
ランニングを終えた丈流が近所の駄菓子屋の前で止まり、自販機でスポーツドリンクを買ってゆっくり飲んでいく。
すると、駄菓子屋のガチャの前で1人のメガネを掛けた紫の髪の直樹と同い年くらいの少年が、ガチャを回しながら啜り泣いていた。
「ぅ……うぅ……っ!!」
「……ねぇ、何で泣いてるの?」
「っ!!?」
丈流に声を掛けられた少年は、驚いて後退るが丈流が何もしてこないのを見て、俯きながらそっぽを向きながら丈流に尋ねる。
「き、キミは……?」
「俺?俺は丈流、近所に住んでるんだ。キミは?」
「龍斗……朝宮 龍斗。」
「龍斗、かっこいい名前だね。んで、何で太極バッチなんて持って泣いてるの?」
丈流は少年、朝宮 龍斗が太極バッチを手に持って泣いているのを見て、その様子が気になった為に尋ねると、龍斗は昼間に公園で友達と喧嘩したことを打ち明け、その中でその友達から“ボクの負で良いよ。”と言われながら、笑顔でバッチを渡された事を話した。
「そうだったんだ。それでバッチを渡されたのが悔しくて、ガチャ回してたんだ。」
「僕は……僕は!あんな情けでバッチを渡してほしかったんじゃない!!僕はただ、ただ……!!」
「実力で勝って、その証が欲しかった……か。まぁ、気持ちは何となく分かる気がする。」
「こんな屈辱は初めてだ……。だから、だからいつか晴らしてやる……!!!あいつに勝ってやるんだ!!!」
強く拳を握りしめる龍斗を見て、丈流はスポーツドリンクを飲み干すと、丈流に言った。
「勝ちたいのなら強くなれば良いんじゃない?
何か得意分野はあるの?」
「え?僕は、勉強とかもそれなりに出来るし、習い事で空手とかもやってるけど……。」
「そうか……なら、もう二度と負けないようにすれば良いんだよ。そうすれば俺は良いと思うけど。」
「変わってるね、キミはどうなの?」
「実は……俺も最初は虐められててね。でも、強くなって見返したら、誰も虐めやちょっかいを出さなくなった。」
「そうなんだ。まぁでもそれはそうかも。……僕もあいつに勝って差を見せてやる。」
「そうだ。良かったらさ、俺と稽古してみない?
俺今道場に通ってるんだけど。」
「え!?良いの?それは嬉しいよ。」
八鹿の道場を龍斗に紹介した丈流は、そこで共に武を学んでいき、2人は切磋琢磨し、互いに競うように強くなっていった……。
それから数年後…
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