八十八 雲隠れ
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クールに考えるのが得策…!」と衝撃を受けたように黙り込む。だがその沈黙はそう長くは続かなかった。
「木ノ葉の里にむちゃくちゃカワイイ娘がいっぱい居て…その娘たちがオレにむちゃくちゃ告白してきたらどうしよう…」
ビーの境遇を悪い方向へ考えるのはやめたようだが、今度は溜息をつきながらも満更でもない顔でそんな妄想をするオモイに、サムイは別の意味で溜息をつく。
一方で呆れ返ったカルイが「だったら付き合ったらよろしんじゃないですかね、手当たり次第に」とおざなりに答えるも、「だけど木ノ葉を去る時に、その娘が離れたくないって言いだしたら…」と言いだすオモイに、益々彼女の眉間の皺が濃くなってゆく。
「まだ木ノ葉に着いてもいないのに何言ってるのよ…」とサムイの呆れた声もスルーして、オモイは「カルイだって」と唇を尖らせた。
「むちゃくちゃイケてる面をしている男が告白してくるかもしれないんだぞ」
「そこイケ面でいいだろ!」
いつものようにツッコミを入れつつも、満更でもない顔でカルイは己の首筋に手を当て、口許を緩ませた。
「ま…しかし言われてみれば、イケ面で強くて紳士的なカッコいい美形忍者が告白してこないともかぎらないわけだが!」
オモイに乗せられて若干その気になったカルイを、オモイ本人が「いや、それはない」と一蹴する。
「絶対ない!」
ハッキリキッパリ断言したオモイに向かって、カルイが拳ほどの石を思いっきり振り被って投げたのは当然の流れだった。
生死を司る術――【外道・輪廻天生の術】。
輪廻眼を持つ者はペイン六道全ての術を扱うことが可能であり、生と死の存在する世界の外に居るとされている。
ただし時間制限があり、死んでから長時間経ってしまった場合は蘇生できない。
ペイン地獄道が呼び出す閻魔から死者の魂を解放する一方で、術者は大量のチャクラを消費し、最悪死に到る。
体力もチャクラも万全な状態ならまだしも、今の長門の体力とチャクラではどうなるか明白だ。つまりこの術は術者の命を引き換えにする諸刃の剣でもある。
だからこそ死を覚悟して術を発動させた長門は、しかしながらすぐに違和感を覚えた。
(…どういうことだ…?)
木ノ葉の里を襲撃したペイン六道が、何故か居合わせた人柱力達と戦闘になったのは、ペインの眼を通してもちろん知っている。
だが、里を壊滅させる際に発動させた【神羅天征】で人柱力もろとも全てを蹂躙したのだ。
どれだけの犠牲があったのか、更地になった里を見れば一目瞭然である。
それなのに。
(誰一人として死者が出
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