八十八 雲隠れ
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したナルの封印を再度封印してくれた四代目火影の言葉。
そして、此処に辿り着く寸前に、奈良シカクに告げられた一言。
「だから…生きて、帰ってこい――俺は、俺達はおまえを信じている」
そうだ。生きて、帰るんだ。
みんなの待つ、木ノ葉に。
だったら猶更、此処で殺気に身を任せるべきじゃない。
こんなところで自分の欲望のままに暴れるべきではない。
大きく息をする。
深呼吸して、彼女は全身から迸る殺気を、九尾のチャクラと共に抑え込んだ。
頭に血が上って一時は冷静さを欠いたが、すぐにクールダウンする。
怒りこそ依然として抱いてはいるが、もう身体は震えていなかった。
「―――話を聞かせてくれってばよ」
なるべくカブトを視界に入れないよう冷静さを努めながら促す。
拝聴する許可をもらったカブトは長門の背後で、背中に腕を回してひっそりと、闇に紛れて佇んでいた。
父親である四代目火影と、元祖・猪鹿蝶の言葉が、ナルを踏み止まらせる。
仙人モードと九尾の力。どちらも併せ持つナルの強い視線を受け、長門は語り始めた。
自らの傷口を曝け出すにも等しい過去話を。
「ビーがやられただと…!?」
テーブルに罅が入る。
感情のままに拳で殴った執務室の机は、雷影の力の前になすすべなく叩き割られた。
「信じられん…」とわなわなと拳を震わせる雷影の前で、秘書の女性は内心、割られたテーブルに溜息をつく。
感情が昂って自分達の長が家具を壊すことは多々あるが、これで何度目か。
「弟を攫ったのはあの木ノ葉隠れのうちはの者だと聞いたが…何故、うちはが『暁』におる!?」
「うちはサスケ…もう随分と前に木ノ葉の抜け忍になっていたようです」
八尾の人柱力であるキラービーが『暁』に衝撃されている場面を目撃した忍びからの連絡。
その報告によれば、襲撃した一味のひとりは、うちはの家紋をその身につけていたらしい。
秘書の説明を耳にして、雲隠れの里の長である雷影はわなわなと拳を震わせた。
「木ノ葉の火影は何故さっさと抜け忍を始末しない!?日向の件ではあれだけ強かだった里が!」
かつて、この軍縮の時代になりふりかまわず力を求めて忍術を集めてきた雲隠れは、日向一族のこどもを攫った歴史がある。
その子どもはすぐに奪還されたが、代わりに捕らえた日向の者を拷問しようとした矢先、何らかの呪印によってその者は死んだ。故に、仕方なく国境の川に捨て置いたという過去がある。
更にその前にも九尾の人柱力の力欲しさに、何度か忍び
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