第百四十三話 豆腐を食べてその十七
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「害にしかならない」
「本当に周りに迷惑かけてな」
「害にしかならなかったのね」
「そんな人だった」
「じゃあやっぱりね」
「野垂れ死にだな」
「そうなって欲しいわ」
「そうだな、しかし人にそう思われるとな」
父としてだ、娘である一華に話した。
「人として終わりだな」
「まさに餓鬼よね」
「そして餓鬼が幸せか」
「絶対に違うわね」
「ああ、餓鬼程不幸な存在はない」
父は言い切った。
「いつも餓えと渇きに苦しんでいるからな」
「不幸の極みね」
「人は幸せになりたいならな」
そう思うならというのだ。
「餓鬼にはならないことだ」
「そこまで堕ちないことね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「人でいることだ」
「ちゃんとして」
「そう、ちゃんとしてな」
「人として」
「そうでないとな」
まさにだ、餓鬼にならなければというのだ。
「いいんだ、犬や猫は幸せになれるが」
「餓鬼はなれないのね」
「絶対にな」
何があってもというのだ。
「地獄に堕ちるのとどっちがっていう位にな」
「幸せにはなれないのね」
「そうだ、だから幸せになりたいなら」
「餓鬼にはならない」
「人でいることだ、最悪生きものでもな」
畜生と呼ばれる存在でもというのだ。
「幸せになれるがな」
「餓鬼になればなれない」
「絶対にな」
まさにというのだ。
「そうであることはな」
「幸せになりたいなら」
「覚えておいてくれよ」
「わかったわ、最初は体臭のお話していたけれど」
「そちらも大事だけれどな」
父はそれでもと話した。
「やっぱりな」
「人でいることは」
「もっと大事だからな」
だからだというのだ。
「意識しておくんだ」
「そうした人にならない様に」
「絶対にな」
それこそというのだ。
「いいな」
「そうしていくわね」
「人でいることは大事なんだ」
幸せになる為にはとだ、父は一華に話した。そして一華も体臭のこともだが餓鬼にならないことも意識する様になったのだった。
第百四十三話 完
2024・7・24
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