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おぢばにおかえり
第八十三話 回廊ひのきしんその十六

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「八時間だと普通ですよね」
「ええ、私もそう思うわ」
 先輩はすぐに答えてくれました。
「大体ね」
「そうですよね」
「よく寝る方がいいのよね」
 先輩はこうも言われました。
「身体には」
「長生きするっていいますね」
「昔の漫画家さんは三日位徹夜されたそうよ」
「三日ですか」
 これには正直驚きました。
「私一日もないですよ」
「描いている量が桁違いでね」
 もう連載を何本も抱えていたとか普通だったそうです。
「それでだったのよ」
「昔の漫画家さんは凄かったんですね」
「手塚治虫さんとか藤子不二雄さんとかね」
「あの人達はそうだったんですね」
「けれどね」
 ここで先輩は悲しいお顔で言われました。
「そこまでやって身体にいいか」
「絶対に悪いですね」
「ええ、それでね」
 その為にというのです。
「殆どの人が六十かそれ位でね」
「早死にですね、今だと」
「今八十歳位普通だからね」
 特におみちの人は長生きの人が多いです、やっぱり日々穏やかに過ごしているからなのでしょうか。
「それでよ」
「六十位では」
「若い頃の無理が祟って」
 そうしてというのです。
「そうなったみたいよ」
「そう思うと無理はしたら駄目ですね」
「おみちではそうしたことしないから」
 長く寝たら駄目とか絶対に言いません。
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