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助けを求めて回る犬達
第一章

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               助けを求めて回る犬達
 オーストラリアのメルボルンにおいてだ。
 消防署員をしているジョナサン=ポーツマス金髪で大柄な黒い目の彼は家に戻って来た息子のサミュエル自分そっくりの小学生の彼に言われた。
「お父さん、ルナが凄く泣いてあちこちの家の前を走り回ってるよ」
「ルナ?マーシャルさんの家の」
「うん、そうだよ」
「どうしたんだ?」
 ポーツマスはルナの茶色と白の痩せた中型犬の外見を思い出しつつ言った。
「一体」
「よくわからないけれど」
「走り回ってるんだな」
「助けを求めるみたいにね」
「助け?マーシャルさんに何かあったのかな」
「そうなのかな」
「だったら」 
 ポーツマスは考えて言った。
「まずはルナに会おうか」
「そうしよう」
 こう話してだった。
 妻のメアリー、小柄で黒く短い髪の毛の彼女も入れてだった。
 三人でルナの前に来た、すると。
「ワンワンワン!」
「ついてきてって言ってるわね」
 妻はルナが自分達が出て来ると駆けだしたのを見て言った。
「どうやら」
「うん、あっちはマーシャルさんの家だが」
「やっぱり何かあったのね」
「言ってみよう」
 夫婦で話してだった。
 実際にマーシャルの家に行ってみるとだった。
 そこに白髪の初老の大柄でがっしりした体格の男、農家をしているヴォーン=マーシャルが倒れていた。ルナは彼を心配そうに見ている。
 それでだ、一家はすぐに異変を察してだった。
「病院に連絡しよう」
「そうしましょう」
「救急車を呼ぼう」 
 夫婦だけでなく息子も言ってだった。
 すぐに救急車を呼んで病院に連れて行ってもらった、そして診察してもらうと。
「いや、危なかったそうだよ」
「そうだったんだね」
「肺が急におかしくなって」 
 マーシャルは退院して自分を助けてくれたポーツマスの家に来て礼を述べてそのうえで詳しい事情を話した。
「それでだよ」
「ルナがだね」
「助けを呼んでくれて」
「私達が来て」
「助かったよ、本当にね」
「ルナがいてくれて」
「君達がいてくれてだよ」 
 それでというのだ。
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