第二章
[8]前話
イスラエルのネットユーザー、ベンラオールというハンドルネームの彼はSNSでネット上の友人に話してだ、自分のことも言った。
「実は僕の愛犬もだよ」
「同じかい?」
「うん、ヨセフといってね」
まずは名前から話した。
「茶色の大きな犬だったけれど」
「亡くなったんだね」
「三年前癌でね」
それでというのだ。
「僕のミスで彼の画像を全部なくしてしまったけれど」
「それでもだね」
「グーグルのストリートレビューで家の近くを観たら」
そうしたらというのだ。
「いたんだよ」
「君の家族がだね」
「ヨセフがね」
そうだというのだ。
「嬉しいことにね」
「それは確かに嬉しいね」
「その画像を保存したよ」
喜びがネットの文章にも出ていた。
「そうしたよ」
「そうなんだね」
「うん、そして今度はなくさない様に」
そう考えてというのだ。
「バックアップもね」
「したんだね」
「うん、そしてね」
そうしてというのだ。
「二度とだよ」
「家族と別れないね」
「うん、今も一緒にいるよ」
「家族と」
「画像は残しているから」
それ故にというのだ。
「もうね」
「二度と別れないで」
「一緒にいるよ」
「ストリートレビューは素晴らしいね」
「全く以てだよ」
笑顔で文章を書いた、そしてだった。
彼はネット上の友人に家族だった愛犬の画像を見せた、そして言うのだった。
「この通りね」
「一緒だね」
「そうだよ、感謝しているよ」
「グーグルには」
「最高の文明の恩恵だよ」
「文明は偉大だね」
「人を不幸にさせる時もあるけれど」
ここでこうも言った。
「戦争とかに使えば」
「多くの人を傷付け殺してね」
「けれど人を幸せにする」
「そういうものでもあるね」
「そして今回は幸せにしてくれているよ」
別れた家族と再会させてくれてとだ、こう言ってだった。
今は幸せを感じるのだった、それはこれ以上はないまでに甘美なものであった。
グーグルストリートレビューにて 完
2024・9・24
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