第二章
[8]前話
「言っておくけれどその五人段持ちでな」
「強いわね」
「初段でしかも毎日稽古してるからな」
「段持ってるだけで違うしね」
「だからな」
それ故にというのだ。
「かなりな」
「強いわね」
「ああ、それでもいいんだな」
「いいわ、私だって毎日稽古してるし」
本多は審判役になっている斎藤に答えた、本多は合気道の斎藤と一年生達は空手の道着をそれぞれ着ている。
「自信あるわ」
「三段になっただけあるか」
「そこからも稽古してるし」
「じゃあ見せてもらうな」
「ええ、合気道は大人数相手でも戦えるわ」
本多の自信は揺るがない、そしてだった。
五人は本多にそれぞれ向かった、すると。
本多は摺り足で素早く動き回りつつ五人の動きをよく見てだった。まずは一人目の突きを捉えて投げた、二人目もそうして。
三人目が足を出すと払い四人目も攻撃を捉えて投げて最後の一人は払った。あっという間に五人を退けたが。
それを見てだ、斎藤は言った。
「凄いな、特に足がな」
「足捌きがっていうのね」
「ああ」
まさにというのだ。
「凄かったな」
「わかったわね」
「武道や格闘技は足だからな」
「足をどう使って動くか」
「それが大きいからな」
「そう、合気道も足はね」
足捌きがというのだ。
「重要でね」
「それを使ったか」
「そうよ、確かに空手は強いわ」
「けれど足か」
「足を上手に使えばね」
それならというのだ。
「ある程度の腕があれば」
「空手の黒帯が五人相手でもか」
「勝てるわ、剣道六段の人と組み合って勝った人もいるし」
「剣道、竹刀を持っていてもか」
「そうよ、だからね」
それでというのだ。
「合気道も馬鹿に出来ないでしょ」
「そうだな、自分から攻めなくてもな」
「強いのよ」
「そうなんだな、空手にも負けないか」
「それぞれの武道、格闘技もそれぞれよ」
「強い、優劣なんてないか」
斎藤は空手家として空手に絶対の自信があったので述べた。
「覚えおくな」
「そうしておいてね」
「実際にお前の組み手見たしな」
複数の空手の有段者を一度に退けたそれをというのだ、この時からだった。
斎藤は合気道それに他の武道や格闘技を軽く見なくなった、どれもそれぞれ強いと言う様になった。そうして一生空手に励んでいった。その中で合気道の中で実力者となっていく本多が結婚して苗字も変わったことも聞いたのだった。
合気道は強い 完
2024・9・23
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