第二章
[8]前話
実は決死の顔で投げていた、どんなバッターにも全力で向かい一球一球魂を込めて投げていた。それだけでなく。
「コントロールいいだけじゃなくてな」
「わかるよな」
「絶対に変なボール投げないな」
「卑怯なことは絶対にしなくてな」
「どんな相手にも全力で向かうんだな」
「そうなんだよ」
球場で兄の投球を観つつ一緒に観ている友人に話した。
「何があってもな」
「潔い人なんだな、闘志剥き出しでな」
「抑えた時はああだよ」
ピンチだったが三振に討ち取りマウンドで利き腕である右手を拳にして吠えていた。
「凄いな」
「喜ぶな」
「けれど相手は絶対に馬鹿にしなくてチームメイトの人がミスしても」
「責めないか」
「家でもああなんだよ」
兄はというのだ。
「真面目でいつも練習とか研究していてな」
「そんな人か」
「俺にも真面目に接してくれるんだよ」
「家族にもか」
「暴力も振るわないし責めないしな」
「家でも男らしいんだな」
「ああ、そんな性格と行動だからな」
それでというのだ。
「女の子からもな」
「もてるんだな」
「俺よりもな、しかももててもな」
それでもというのだ。
「遊んだりしないから尚更だよ」
「もてるんだな」
「ああ、一番もてる要素は顔やスタイルじゃないんだよ」
そうしたものではないというのだ。
「性格だよ」
「お兄さんはああした人だからもてるんだな」
「そうだよ、俺も真面目に生きないとな」
大輔は笑って自分のことも話した。
「顔じゃないからな、人間」
「その顔でそうした考えならもてるさ」
「兄貴には負けるさ」
友人に笑って言った、後に彼は俳優になって人気を得た。だがプロ野球選手となった兄はチームのエースとなり彼よりもてた、外見の問題ではなくその全力で真面目で相手を責めないその野球スタイルとプライベート故にそうなった。
兄貴がもてる理由 完
2024・9・23
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