第二章
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「それでお母さんもずっと働いて」
「お仕事のこと知ってるのね」
「世の中のこともな、だからアルバイトはな」
それはというと。
「やった方がいいんだよ」
「お仕事は」
「特に将来会社を継ぐなら」
「それならな、それでお前随分な」
兄は今の妹を見て言った。
「いい顔になってるな」
「そう？」
「きりっとして晴れやかになってるよ」
今の妹の顔はというのだ。
「前まで何もない感じだったのがな」
「それがなの」
「ああ、学校にも行って」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「真面目に働いて」
「そうしてるからだよ」
まさにというのだ。
「それでだよ」
「そうなのね」
「うちはお弁当屋さんじゃないけれどな」
また違う事業を行っているがというのだ。
「働いているとそれだけでな」
「色々わかるのね」
「それで磨かれてもいくんだよ」
「人として7」
「真っ当に働いていたらな」
それならというのだ。
「いいんだよ」
「うちの会社とは違うお仕事でも」
「ああ、その経験がまた生きるしな」
「社会人になったら」
「俺もそうだしな」
兄は妹に微笑んで言った。
「今本当に役に立ってるしな」
「アルバイトしていて」
「そうだよ、だから頑張れよ」
「そうしていくわね」
妹はそれならと応えた、そしてだった。
それからもアルバイトを学業のかたわら続け大学でもそうした、それから両親の会社に就職したのだが。
「お兄さんも妹さんもしっかりしていて」
「若いけれどやってくれるな」
「これはこの会社大丈夫だな」
「この代も」
会社の内外からこうした言葉が出た、そしてだった。
美里は兄と共に働きやがて両親の後を継いで副社長として社長になった兄を支える様になった、結婚して子供も出来たがそこでもしっかりしていると言われた。その下地は学生時代のアルバイトにあると知る人は知っていた。
弁当屋で働いて 完
２０２４・９・２３
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