第七百六十九話 三人で飲むクミズその十一
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「それこそね」
「贅沢なご馳走だったわね」
「かき氷なんて」
「もう凄かったのよね」
「昔の日本じゃね」
「あれね」
ここでだ、ナンは。
氷を出してそれを自分のクミズに入れて飲んでから話した。
「こうした飲み方もね」
「ロックね」
「こうした飲み方もね」
それこそというのだ。
「そうはね」
「なかったわね」
「とんでもない贅沢な飲み方で」
「夏に出来たら」
「とんでもなかったわ、いやモンゴルだとね」
ナンはアロアに話した。
「お酒はもう冷えてるから」
「最初から」
「寒いからね」
「草原の寒さがここでも出たわね」
「それでね」
「氷入れないわね」
アロアも今はクミズを飲んでいる、ストレートでそうしている。
「そうなのね」
「普通はね」
「そうなのね」
「元々冷えているから」
だからだというのだ。
「そうしているの」
「そうなのね」
「むしろね」
ナンは笑って話した。
「あっためてね」
「それで飲む方が多いの」
「モンゴルだとね」
「熱燗派の人が多いのね」
「そうなの」
これがというのだ。
「寒いからね」
「それでなのね」
「あったまる為にね」
「熱燗にして飲むのね」
「日本で言うと」
今は氷を入れたクミズを飲みつつ話した。
「泉鏡花さんね」
「あの小説家の」
ベッカが応えた。
「戯作も書いていた」
「そう、あの人みたいにね」
「熱燗の人が多いのね」
「ただあの人は極端で」
泉鏡花はというのだ。
「お酒かなり沸騰させて飲んでたらしいから」
「熱燗どころか」
「もうね」
ナンは少し苦笑いになって話した。
「ぐらぐらに沸騰するまでね」
「あっためて」
「それから飲んだらしいから」
「そこまでしたら」
ベッカは目を顰めさせてソーセージを食べつつ言った。
「どうかしら」
「美味しいか」
「ちょっとね」
「思えないわよね」
「熱過ぎて」
酒がというのだ。
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