第八十三話 光の神その六
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「闇が深うなって」
「お祖母さんを憎んで」
「それもかなり」
「それでそう言ったんやな」
「精神病院に入れろって」
「そうな」
まさにというのだ。
「そう言ったんや」
「そうやな」
「それで鬱になると」
アレンカールはこれのことを話した。
「誰でもなる可能性があるもので」
「なるとな」
まさにとだ、施は言った。
「誰かて沈みきって」
「明るく考えられへんわね」
「そうなるな」
「そうよね」
「王莽みたいなモンでも」
簒奪者として悪名高い彼もというのだ。
「鬱になったしな」
「あちこちで叛乱が起こって」
「赤眉の乱な」
「それで劉氏がまた出て来て」
漢王朝の皇室だったこの家がというのだ。
「どうにもならなくなったのよね」
「それで鬱になってな」
その原因が自身の現実を無視した政にあろうともというのだ、皇帝になってからの彼の政は全てがそんなものだった。
「それでな」
「まともに考えられなくなって」
「どうにもならん様になった」
「そうよね」
「食事かてな」
こちらもというのだ。
「もう酒と干し鮑しかな」
「食べられなくなったのね」
「ほんまに酒に溺れて」
鬱になりというのだ。
「そしてな」
「そのうえでよね」
「滅んだわ」
「王朝ごとね」
「折角絶てたな」
簒奪して、というのだ。
「新王朝ごとな」
「滅んだわね」
「都に敵が来て」
そうしてというのだ。
「首を取られたわ」
「呆気ない最期だったみたいね」
「そやった」
施もその通りだと答えた。
「悪党やったがな」
「簒奪をして」
「陰謀も駆使してそれでいて善人ぶってて」
「凄く嫌な奴でもあって」
「しかも皇帝になってからは国を乱した」
現実離れした政治によってだ、王莽は何故か皇帝になるとかつての周王朝の政治何百年も昔のそれを復活させたのだ。
「現実を無視したな」
「そのことも罪ね」
「あの人のな」
「それで悪人ね」
「中国の歴史でも有名なな」
「そうよね」
「そんな悪党やったが」
王莽はというのだ。
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