第一章
[2]次話
太ってもわかりにくい
ふわりはトイプードルティーカップに近い位小さく足は短いドワーフタイプの娘だ。毛色はダークブラウンで巻いている。
そんなふわりを見てだ、彼女の家族である国咲家の父であり夫である文太は妻の百合子に散歩の時に言った。前にはリードにつながれたふわりがいて歩いている。
「若しかしてな」
「どうしたの?」
「ふわり太ったか」
こう言うのだった。
「どうもな」
「気のせいじゃないかしら」
妻は夫の疑問を否定した。
「あまりね」
「そうか?」
「ええ、別にね」
「そうだといいけれどな」
「わかりにくいけれどね」
妻はここでこうも言った。
「どうも」
「太ったかどうかな」
「ほら、ふわりってね」
「ああ、小さくてな」
「人間の基準で見るとね」
そうすると、というのだ。
「わかりにくいわよ」
「小さいからな」
「犬の中でもね」
「かなり小さい種類だからな」
「トイプードルでね」
この種類の犬でというのだ。
「その中でもね」
「かなり小さいからな」
「だからね」
それでというのだ。
「わかりにくいわよ」
「百グラム単位でな」
「それ位で考えないとね」
さもないと、というのだ。
「わからないわよ」
「ふわりはな」
「ええ、ふわりって普段三キロ位でしょ」
「それ位だな」
「そこから三百グラム減ったら」
「俺達だと何キロか太ったってなってな」
「一割ね」
それ位だというのだ。
「そうなるから」
「問題だな」
「そう考えてね」
「やっていかないとな」
「見てもね」
その外見をというのだ。
「わかりにくいしね」
「長い巻き毛に覆われていてな」
「だからね」
その為にというのだ。
「わかりにくいわよ」
「見た目じゃな」
「だから気になるなら」
ふわりが太ったかどうかだ。
「帰ってね」
「計るか、体重」
「まずふわり持って体重計に乗って」
「そうして計ってな」
「それからふわりを下ろして」
その手を放して解放してというのだ。
「それでね」
「自分だけの体重計るな」
「持って乗った分から自分だけの分を引いたら」
「それがふわりの体重だ」
「その体重をね」
まさにそれをというのだ。
「見ましょう」
「そうしような」
夫婦で話してだった。
そのうえで散歩から帰ると実際に計ってみた、すると。
「変わってなかったな」
「そうね」
「三キロのままだったな」
「全くね」
「変わってなかったな、気のせいだったな」
文太は百合子に神妙な顔で話した。
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