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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第220話:導かれた逃走
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申し訳なさを感じずにはいられず身を寄せ合いながら暗い表情で頭を下げた。

「翼さん……ゴメンなさい。私達の所為で、邪魔を……」
「気にするな。2人共、私の大切な仲間だ。立花と奏なら必ずこちらに気付いてくれる。それまでの辛抱だ!」

 自らに喝を入れる様に声を上げ、アルカノイズからの攻撃に備えようとする翼。だがいくら身構えても、アルカノイズは3人を取り囲むだけで一向に攻撃を仕掛けてくる気配が無かった。
 その様子に翼は強い違和感を感じた。先程までは破壊工作を目的としているかのように辺り構わず攻撃をしていたアルカノイズが、今は自分達の事を遠巻きに見ているだけで何もしてこない。その背後や周囲では他のアルカノイズが変わらず攻撃を続行しているにも拘らず、だ。

 何故アルカノイズは突然攻撃を止めたのか? 翼がその事に疑問を持った次の瞬間、彼女は背筋に氷柱を挿し込まれたような感覚を覚え咄嗟にあらぬ方へ向けて蒼ノ一閃を放った。

「フッ!」
[蒼ノ一閃]

 宙を飛ぶ青い斬撃があらぬ方向へ飛んでいくのを、未来とエルフナインが思わず目で追った。するとその先から、ほぼ同じタイミングで無数の光弾の様なものが飛んできて青い斬撃とぶつかり合い爆発を起こした。
 咄嗟に蒼ノ一閃である程度は相殺できたが、立て続けに飛んできた光弾に翼は未来とエルフナインが巻き込まれると判断しアームドギアを大剣にして2人を庇う様に攻撃を防いだ。

「伏せろッ! くッ!?」
「翼さんッ!? きゃぁっ!?」
「わぁぁっ!?」

 次々と降り注ぐ光弾……それは魔法の矢であった。無数の魔法の矢は翼だけでなくその周囲にも被害を及ぼし、その余波で周囲を取り囲んでいたアルカノイズが巻き込まれて数を減らしてしまった。

 魔法の矢による攻撃に耐える翼。それが唐突に終わり、周囲を警戒しながら大剣を下ろして油断なく視線を巡らせると、彼女の前に1人のメイジが姿を現した。くすんだ茶色い仮面の剣を携えたメイジ……それはこれまでにガルド達が何度か戦ってきた、敵の幹部であった。

「貴様は……!」

 魔法使いベルゼバブ、その出現に翼は剣を構えながら冷や汗を流さずにはいられなかった。
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