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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第220話:導かれた逃走
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く暴れるなどある筈がない。何処かで何らかの目的を持ってアルカノイズを使役している錬金術師が居る筈だ。
――向こうの錬金術師は残り2人。そのどっちかがコイツ等を指揮してる。でも何の為に?――
パッと考えられるのは、連れ去られたミラアルクの奪還である。この攻撃は囮で、本命は本部に直接攻撃を仕掛ける事であると考えられなくもない。
だが今本部には颯人が控えている。一応軟禁されていると言う形ではあるが、それでも本部が直接攻撃されるような事態になれば彼も動く筈だ。それに本部には輝彦もいる。そこを直接襲撃すると言うのは、正直に言って賢い選択とは言い難い。
今ジェネシスに与している3人の錬金術師。彼女達は決して強敵と言う程の存在ではない。能力は厄介だが、奏達が本気で戦えばどうにかできる程度の手合いだ。だが彼女達はそれを自覚し、罠を張るなど策を巡らせて狡猾に動く印象が強かった。
策を巡らせることを得意とする者達が、囮等と言う安易な策だけで本部攻撃などと言う愚を犯すとは思えない。となると、この攻撃には別の意図がある。
奏がそこまで考えた所で、通信機の向こうが俄かに慌ただしくなった。
『え? ちょ、何をッ!?』
『貴様何をしているッ!』
『オーディエンスの出番はここまでだ。悪いが、全員暫く大人しくしていてもらうぞ』
通信機から輝彦の声が響いたかと思ったら、次の瞬間彼が魔法を使った音声が耳に響く。
〈スメル、ナーウ〉
その音声が届いた次の瞬間、奏達の耳に入ったのはオペレーターや査察官らの阿鼻叫喚の悲鳴だった。
『く、くさっ!? なになになにっ!?』
『ぐぉぉぉぉっ!? な、何だこれはぁぁっ!?』
『ゲホッ!? ゲホゲホッ!?』
「何だ何だ? 何が起きてる?」
通信機越しでは何がどうなっているのか分からないが、兎に角発令所の中が酷いことになっているのだろう事だけは声だけで分かった。
『クソッ!? 出ろッ! ここから出ろッ!』
『あれ? あ、開かないッ!? 扉があかないッ!?』
『出してッ!? 出してくれぇッ!?』
まるでパニック映画もかくやと言う阿鼻叫喚の声は、誰かが向こうで通信を切ったのか唐突に聞こえなくなる。そしてそれと入れ替わる様に、今度は聞き慣れたオペレーターであるあおい達の声が響いた。
『2人共、お待たせ!』
「友里さんッ!」
「あれ? 発令所今大変な事になってるみたいだけど、そっちどうなってるの?」
先程の通信を聞く限りだと、発令所は阿鼻叫喚の地獄のような状況となっている筈。それなのにあおいは何てことは無い様な感じで通信をしてきたので、一体どういう事かと奏が首を傾げた。
それに対し、朔也が苦笑交じりの声で答えてくれた。
『実はあの
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