第八十三話 回廊ひのきしんその十三
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「だからね」
「挨拶しないと駄目ですか」
「そうよ、それどころか睨んでるじゃない」
「やっぱりそれは出来ないですね」
「嫌いだからなのね」
「どうしても」
「あのね、今から一緒にひのきしんさせてもらうから」
私はその新一君に言いました。
「いいわね」
「今から挨拶をですね」
「しなさいね」
こう注意しました。
「いいわね」
「それじゃあ」
やっと無言で頭を下げました、そしてです。
先輩も挨拶を返しました、その後で。
私達は神殿の中のかんろだいに一礼してから敷地内に入りました、そうして西の礼拝堂の方から神殿に入って。
ひのきしんに入りました、かんろだいに今度は手を合わせて叩いて礼拝をさせてもらってからでした。
三人で神殿の回廊の床を拭かせてもらいましたが。
「新一君速いわね」
「そうですか?」
「ええ、毎日させてもらっているからなのね」
追い付けますが確かに速いです。
「だからなのね」
「毎日させてもらっていると速いですか」
「最初は膝とか痛くなったでしょ」
私は拭かせてもらいながら尋ねました。
「そうでしょ」
「はい、かなり」
「脇の下とかもね」
「そうなりました」
新一君は私の横から答えました、勿論先輩も一緒です。
「一周するのが大変でした」
「そうよね、けれど一週間位させてもらったら違うわね」
「もうすっかり慣れていました」
「そうでしょ、慣れるのよ」
回廊ひのきしんもです。
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