第八十二話 神々の黄昏その九
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「君達が勝てばね」
「先に進めますね」
「確かに私とオーディンは嘘を吐くよ」
ロキは笑って自分のそのことを話した。
「約束も破るよ」
「いつも言っているがな」
トゥールはロキの言葉を受けて苦い顔で彼とオーディンを交互に見てそのうえで苦い声でこう言った。
「この者達は変わらん」
「戦には謀略も必要だ」
オーディンはそのトゥールに悪びれることなく答えた。
「むしろ馬鹿正直なお主がよくない」
「正直で約束を守ることは美徳だ」
トゥールはこうオーディンに返した。
「だからだ」
「嘘を言わずか」
「約束を守ることだ」
絶対にというのだ。
「それが大事だ」
「絶対だな」
「そうだ」
「まあそこはトゥールの長所だね」
ロキは言い合う二人を見つつ笑って述べた。
「そうしたところが好きだよ」
「お主オーディンにも同じことを言うではないか」
「うん、言うよ」
トゥールに笑って返した。
「オーディンの嘘吐きなところも私に似ているからね」
「相変わらずああ言えばこう言うだな」
「火の神だからね」
それ故にというのだった。
「火は何でも使えるから」
「何とも言えるか」
「何でも好きでね」
「そういうことか、しかしここに人が来たのだ」
トゥールはそれでと述べた。
「ならばな」
「これから戦おうね」
「そうしよう」
神々で話してだった、一行に戦うぞと告げてだった。
かくして戦となった、一行はトゥールとの戦の中で言った。
「この雷がな」
「洒落にならんな」
中里もメルヴィルも神霊のとてつもない数と威力の落雷の前に思わず言った。
「ミョッルニルも来るしな」
「滅茶苦茶強いわ」
「流石北欧神話の雷神さんや」
「巨人殺しだけあるわ」
「ほんま強いわ」
「これは尋常な手段では勝てんわ」
「わいの手にはミョッルニルがあるが」
トウェインはその神具を手に言った。
「しかしな」
「本来の持ち主はちゃうな」
「格がちゃうな」
「尋常やない強さや、雷で向かってもな」
そうしてもというのだ。
「それだけでは勝てんわ」
「それでや」
リーがここで言ってきた。
「水の属性を備えるで」
「雷に強いからか」
「そや、火にも強くてな」
水はというのだ。
「さっきのロキさんとの戦にも使ったが」
「今回もやな」
「水属性を備えてな」
そうしてというのだ。
「そのうえでや」
「戦うな」
「そうするんや」
こう言うのだった。
「ええな」
「わかったわ」
それならとだ、羅はリーの言葉に頷くとすぐにだった。
自分自身の神具に水属性をかけた、そうしてトゥールに向かおうとした、だが施はその彼に対してこう言った。
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