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神々の塔
第八十二話 神々の黄昏その七

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「それから私達がおらへん様になっても」
「動く様に」
「これまで以上にな」
「考えていって」
「それでこの世界に置いてくんや」
「そうすることやね」
「どうもな」
 ここでシェリルはこんなことを言った。
「私達の前にや」
「誰かがこの世界に来てたみたいやね」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「この世界に色々なもんもたらして」
「それでやね」
「世界を統一して」
「治めてはったみたいやね」
「そして統一する中でな」
「この世界に色々なもんもたらしたみたいやね」
「どうもな」 
 こうした話もした。
「そうみたいやな」
「それな、はっきりわかってへんが」
 それでもとだ、中里も言った。このことは彼等がこの世界に来て次第にそうではないかと感じていたことの一つだ。
「そうみたいやな」
「どなたか知らへんけど」
 綾乃はそれでもと中里に述べて言った。
「しかし」
「それでもな」
「凄いことしたね」
「世界を統一してな」
「多くのものをもたらすなんて」
「ほんまな」
 中里も言った。
「凄い人や」
「うち等の世界を統一するとか」
「不可能や」
 中里は言い切った。
「ほんまな」
「そやね」
「そんなこと出来たらな」
 それこそというのだ。
「神様や」
「そう言ってええね」
「世界を統一、世界征服と言い換えるとな」
「誰も出来へんかったね」
「アレクサンドロス大王は巨大な国家を築いたけどな」
 ギリシアからエジプト、メソポタミアまで掌握しただ、瞬く間にそれだけの領土を持つ巨大な国家を築き上げたのだ。
「そやけどな」
「世界は統一してへんね」
「アフガンまで行ってな」
「そこで止まったし」
「チンギス=ハーンもな」
 彼もというのだ。
「モンゴル帝国は大帝国を築いたけどや」
「やっぱり世界は征服してへんし」
「日本に負けてな」
 元寇のことであるのは言うまでもない。
「ベトナムにもや」
「負けたし」
「インドも掌握してへんし」
「エジプトも西欧も」
「モンゴル帝国でもな」
 無敵と言われたこの国もというのだ。
「あかんかった、大英帝国もな」
「同じやね」
「そのモンゴル以上のや」
 中里はまさにと話した。
「巨大な国家を築いたが」
「それでもやったね」
「世界を掌握出来んかった」
 そうだったというのだ。
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