第百四十三話 豆腐を食べてその六
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「牛乳もいいからな」
「蛋白質にビタミンね」
「そうしたものを食べてもな」
「いいのね」
「何でかこうしたものを食べないヴィーガンの人がいるけれど」
それでもというのだ。
「けれどな」
「お豆腐食べたり牛乳飲んでもいいわね」
「仏教のお坊さんは昔肉食は駄目だったけれどな」
肉食妻帯を禁じられていた、だが密かに食べていたり内縁の妻がいたという場合も多かったことは事実である。
「お豆腐とか食べてな」
「蛋白質取っていたわね」
「ヒトラーも菜食主義だったんだ」
今度はこの人物の話をした。
「このことは知ってるな」
「ソーセージとかは食べても」
「基本的にな」
このことは彼の傍にいた将軍の一人グーデリアンの回想録でも書かれている、菜食主義であったことは間違いない。
「そうだったんだ」
「そのこと有名よね」
一華もこう返した。
「あの人が菜食主義だって」
「そうだった、けれどな」
父はそれでもと話した。
「あの人は牛乳も飲んでいたからな」
「蛋白質は摂っていたのね」
「そうだったんだ」
「そうだったのね」
「菜食主義者でもヴィーガンじゃなかったんだ」
「ソーセージとかも食べてたし」
「むしろ政策としてはな」
ナチスのそれではというのだ。
「肉も食べろと言っていたんだ」
「そうだったのね」
「その方が体格もよくなるからな」
国民のそれがというのだ。
「それでだ」
「国民の人達にはなのね」
「お肉を食べる様にな」
「そうなのね」
「ああ、本当に極端なヴィーガンは」
そうした者はというと。
「かえってよくないんだ」
「健康に」
「多分体臭もな」
極端なヴィーガン主義者はというのだ。
「よくないだろうな」
「匂うの」
「健康のバランスを崩したら」
そうしたらというのだ。
「それだけでな」
「よくないから」
「だからだ」
それでというのだ。
「ヴィーガンの人達も極端になったらな」
「体臭よくないのね」
「体調を崩してもな」
そうしてもというのだ。
「体臭が変わるからな」
「そうなのね」
「口臭なんてな」
父はそちらの話もした。
「胃が荒れてるとな」
「あっ、臭くなるわ」
一華は父に確かにと頷いた、そうして自分がこれまで経験してきたことから父に対して言葉を返した。
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