第百四十三話 豆腐を食べてその五
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「それがよ」
「暴力振るったら元も子もないわね」
「そう、それでね」
そうであってというのだ。
「そもそもお野菜や果物も命あるでしょ」
「植物だってね」
一華はその通りだと答えた。
「本当にね」
「だからヴィーガンの人達も命を頂いているのよ」
「食べるなら」
「そうだからね」
それでというのだ。
「もうね」
「皆同じね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「結局はね」
「皆命を頂いてるのね」
「何かを食べるとね」
「そうなるわよね」
「それでね」
そうであってというのだ。
「お肉を食べる人や扱う人達に命を奪うなって言うのは」
「おかしいわね」
「そうなるわよ」
「そうよね」
「ああした人達は一種の宗教だからな」
父も言ってきた。
「実際宗教が関わってる場合もるしな」
「カルトよね」
「そうだからな」
だからだというのだ。
「あまりな」
「関わったら駄目ね」
「お話を聞いてもな」
そうしてもというのだ。
「よくないな」
「そうなるわね」
「ああ、体臭が気になるならしないものをよく食べて」
そうしてというのだ。
「健康を考えると何でもバランスよくな」
「食べることね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「それが大事だ」
「そうよね」
「さもないとな」
そうでなければというのだ。
「健康に悪い、しかもヴィーガンの人達は自分だけならいいんだ」
「自分が菜食主義なら」
「それならな、けれどな」
それでもというのだ。
「しかしな」
「極端に走って」
「そうしてな」
「暴力を振るったら駄目ね」
「暴力は駄目だ」
父は強い声で言った。
「何があってもな」
「そうよね」
一華もそれはと頷いた。
「暴力は駄目よね」
「自分が正しいと思っていてもな」
「暴力振るったわ終わりね」
「その時点でな」
まさにというのだ。
「それで終わりだからな」
「駄目よね」
「そうだ、あとヴィーガンでもこうしてお豆腐食べたりな」
父は今はごまダレで食べつつ言った。
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