第八十三話 回廊ひのきしんその十一
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「新一君もここにいないわね」
「そうした人でないと大叔母さん達もおみちの人になってないですね」
「そうよね」
「はい、考えてみれば」
「いい人じゃなかったみたいだけれど」
どう聞いてもです。
「けれどね」
「そうした人がいてこそですか」
「新一君もあるのよ」
「こうして先輩と一緒にいられるんですね」
「いや、私は関係ないでしょ」
商店街の中を二人で歩きながら言葉を返しました。
「別に」
「そうですか?」
「そうよ、おみちをしんじん出来る様になったのはね」
「ひいお祖父ちゃんがいてこそですか」
「そうなるわ、いいとは言えない人でもね」
それでもです。
「そうした役割をしてくれるのよ」
「それもお引き寄せですね」
「そうなのよ」
「悪い人でもですね」
「まあお話聞いていたらいい人じゃないわね」
新一君のひいお祖父さんはです。
「相当にね」
「僕が生まれる前に死んだんで」
そのひいお祖父さんはです。
「直接は知らないですが」
「それでも聞いて知ってるのね」
「そうなんですよ」
「それで私にもお話出来るのね」
「はい、ちなみに父が一番悪く言ってまして」
「そうなの」
「もう全否定ですね」
そうだというのです。
「僕も人のこと言えないですが」
「新一君のそうしたところもいんねんかしらね」
怨むいんねんかしらと思いました。
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