第三十五話 大阪でのデートその四
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「そうなるからね」
「地下鉄を使って」
「難波にお昼位に行って」
時間の話もした。
「そうしてね」
「そのうえでだね」
「自由軒でね」
この店でというのだ。
「カレーを食べて」
「夫婦善哉に行くんだね」
「そうしましょう」
「いいね、ただね」
ここで佐京はこうも言った。
「他にも食べない?」
「カレーと善哉以外も」
「どうかな」
こう提案するのだった。
「織田作さんに縁のあるものをね」
「あとは鰻?」
そう言われてだ、夜空はこの魚かと言った。
「鰻丼ね」
「いづも屋だね」
「今はあの辺りにはなくて」
難波の方にというのだ。
「船場の方に後を継いだお店があるのよね」
「名前同じだったね」
「ええ、あの辺りもね」
船場の方もというのだ。
「織田作さんよく行かれたそうだしね」
「本当に大阪の人だったから」
「あちらにもね」
船場の方にもというのだ。
「よく行かれて」
「それでなんだ」
「あちらの方にね、今はね」
「いづも屋あるんだ」
「正式には違うけれど」
夫婦善哉に出ていた頃のいづも屋ではないというのだ。
「それでもね」
「名前はそのままだから」
「だからね」
「あそこも行くんだ」
「ええ、けれどね」
夜空はここまで話して難しい顔になって言った。
「流石に鰻は高いわね」
「そうだね」
佐京もその通りだと答えた。
「流石にね」
「そうよね、だからね」
「鰻は止めておこうか」
「カレー食べて」
自由軒でというのだ。
「そうしてね」
「夫婦善哉も食べて」
「その後まだ食べられそうなら」
そうであるならというのだ。
「またね」
「何か食べればいいね」
「あそこ食べるもの一杯あるし」
伊達に食いだおれとは呼ばれていない、大阪それも難波の方に行けば食べものの店がこれでもかとあるのだ。
「だからね」
「何でも食べられるね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「カレー食べて」
そうしてとだ、夜空は佐京に話した。
「善哉もってなると」
「ボリュームあるね」
「自由軒と夫婦善哉調べたら」
行く予定のそれぞれの店をというのだ。
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