第一章
[2]次話
ボランティアで頑張れ
武内修吾は成績が悪い、通っている高校では常に学年最下位であり追試は入学当初から彼の学園生活の中に入っている。
そんな彼だが何とか周りの教師達がそうなってもらうと面倒だという理由で留年はせずに三年になった。
だがその三年になった時に担任の大喜多宗次に言われた。武内は金髪にした髪の毛をリーゼントにしていて長ランにドカンという昭和の不良の恰好だ。対する大喜多は眼鏡をかけて黒髪を左に分けた面長で如何にも真面目そうな外見である。二人共背は高く一八〇近くある。
「これまでは何とかだったが」
「三年になってですか」
「卒業出来るかどうかな」
大喜多に真顔で告げた。
「危うくなってきた」
「俺も流石に留年したくないです」
「そうだな、しかしお前勉強は駄目だな」
「はい、何やっても頭に入りません」
武内自身が言うことだった。
「勉強苦手なんですよ、俺」
「そうだな」
「いや、中学までは普通で」
その成績はというのだ。
「この学校にも入られたんですが」
「うちに高校の偏差値は五十でな」
「丁度ですね、ですが」
「うちはアルバイト認めてるがな」
「いやあ、アルバイトにはまって」
大喜多に笑顔で話した。
「勤労少年になりました」
「アルバイトはいいがな」
「留年しないと取り消しにならないですし」
「しかしもうそろそろ無理だ」
「マジで留年ですか」
「そうだ、アルバイトもいいがな」
それでもというのだ。
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