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東方守勢録
第三話
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て……その前にやるべきことがあるわ」
「……なにをするんですか? 幽々子様?」
「ここの防衛よ。妖怪の山には私たちが行くと同時に、ここにも兵士が送られてる。迷いの竹林があるから今は大丈夫かもしれないけど……時間の問題ね」
 幽々子が言うには永遠亭に送られている兵士は、妖怪の山に送られてきた兵士の三倍はあるという。へたすればこの人数で対応できるか微妙だ。妖怪の山のように幽々子のような強者が一人でも現れればピンチになるのは目に見えている。
 とりあえず今後は見張りを入れつつ、ここで待ち伏せをすることを決めて会議は終了した。各自不安にかられながらも部屋に戻っていく。
 その中で俊司は一人浮かない顔をしていた。
「……どうかした? 俊司」
「いや……なにもないよ、霊夢」
 そうは言いながらも一人空を見ながら何かを考え始める俊司。霊夢は少し不思議に思いながらもその場を後にした。
(また、なにかめんどうなことになりそうだな……)
 俊司は大きく溜息を吐いて不安になる心を落ち着かせる。するとポケットにいれていた白紙のスペルカードを取り出し、何かを決意したように気合いを入れていた。

 あれから数日後、革命軍の襲撃に備えていた俊司たちだったが、何日経とうが革命軍が現れることはなかった。ただ永遠亭を探している形跡が竹林のいたるところにあったところから、油断はできそうになかった。
この日不老不死の少女である妹紅と月の兎鈴仙、そして地上の兎『因幡 てゐ』は迷いの竹林で見回りを行っていた。
「……今日も何もなしか」
 辺りを見渡しても竹ばかり。どこにも怪しい人影や物体は見えそうにない。
 実は竹林一帯にはてゐお手製の罠が大量に仕掛けられている。この罠を見抜くのは非常に困難で、てゐが見抜き方を教えてもはまってしまうほどだ。現に鈴仙はもう五回ほど罠にはまっていた。
「鈴仙……さっき罠を見分けるコツを教えたばっかだよね……何回落ちた?」
「……五回」
 そう言った鈴仙は精神的に来ていたのか、かなりやつれているようだった。
「あははっ……さて、そろそろ戻るか」
 時計をみるともう十二時を過ぎていた。今頃永遠亭では昼食の準備が終わっているころだろう。もちろん待っているのは竹の子料理だが……。三人はたわいない雑談をしながら永遠亭へと帰り始めた。
 そんな彼女から数百メートルくらい離れた場所には、迷彩服を着た男たちが十人ほど彼女達を見ていた。
「どうだ、狙えそうか?」
「……ぎりぎりですね。竹がかなりじゃまですけど、狙えると思います」
 男は地面に設置した長い銃のスコープを除きながら彼女達を追っていた。銃口はまっすぐ彼女達を向いており、今すぐにでも発砲できる状態だ。
「5秒たったら第一目標の月の兎を射殺しろ。司令部からは、前衛に出てくるなかでは
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