邪神ちゃんドロップキック
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そしてその下半身。緑色の蛇の形をしており、人間の足は存在しない。それどころか、蛇であることを証明するように定期的にしなり続けている。
彼女はハルト
「なんでどこの誰かも知らねえ奴が食らっていやがるんですの!? 折角のわたくしの邪神ちゃんドロップキックが決まったというのに!?」
「なんで俺怒られてんの!?」
襟首を強烈に振られながら、ハルトは叫ぶ。
だが蛇女がハルトを振る動きが止まる。彼女の背後には、無言で並び立つゆりねの姿があった。
「はっ! ゆ、ゆりね……!」
「邪神ちゃん……お客様にいきなり何てことしてくれるのよ……」
彼女は人間だったはず。
それなのに、凄まじいオーラを放ちながら、ゆりねは蛇女___邪神ちゃんと言ったか___を睨んでいた。
邪神ちゃんは即座にハルトを放り捨て、跳び上がる。
「ハッ! 油断したなゆりね! あんな身代わりを用意しようとも、お前を倒す秘策などいくらでもあるわ!」
器用に体を反転させた邪神ちゃんは、その身を捻る。その尾先をゆりねに向け、再び彼女の代名詞たる必殺技を放つ。
「食らえ! 邪神ちゃんドロップキック! 最近中々筆が進まずにペースが落ちてしまい申し訳ありません! 多分今回しかできないメタ発言バージョンですの!」
だんだんとゆりねに迫っていくドロップキック。しかしそのプロセスを行っている間、ゆりねはすでに手慣れた様子でその対策を手にしていた。
「なあ、花園……お前、それ何だ?」
「何って……見て分からない?」
手にした対策物を起動させながら、ゆりねはコウスケへ応えた。
付属している紐を引っ張ることで、それは起動音を___否、駆動音を響かせる。
「分かるから聞いてるんだが?」
コウスケが目を疑っているのも無理はない。
ハルトが目にしている、ゆり根の対策。それは。
女子大生が持つのは到底難しいはずの、チェーンソー。
そのまま自らに飛び掛かろうとする悪魔へ、ゆりね躊躇いなく振り下ろす。
当然、生命体の肉体に刃物が振り下ろされれば待ち受ける結果など一つしかなく。
「ほわあああああああああッ!」
「スプラッターあああああああああッ!」
祐太と香子が抱き合いながら悲鳴を上げた。
だが、ゆりねはそんな香子を意に介さずに、チェーンソーを振り回す。
彼女のチェーンソーが右へ左へ揺れるたびに、蛇の体から血しぶきが飛び散る。壁一面を赤く染め上げ、その都度ゆりねの口元は偃月型に吊り上がっていく。
聖杯戦争の参加者として、そして魔法使いとして長らく戦い続けてきた二人にとっては見慣れた光景だが、ただの大学生である祐太と香子にとっては目を覆う光景であることには間違いない。
やがて粉みじんの姿にな
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