第86話「荒らし殲滅プロトコル発動」後半
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
巻き込まれてしまい―――爆沈。
《滅びの方舟》から放たれたエネルギーは止まることなく、〈スターダスト〉の正面で防御の構えを執る惑星破壊兵器に衝突した。
ピンク色の粒子を、花を咲かせるように拡散する。〈スターダスト〉に直撃することは無かったものの、後方で待機していた艦隊はそのエネルギーに命中してしまい、約千隻のブリリアンス戦闘艦の殆どが沈んでしまう。
「〈DSー5〉、中破」
この攻撃により、プロトコル発動で投入された半数が撃滅された。
「〈DSー5〉、後退せよ。〈スターダスト〉、前へ」
〈DSー5〉が後退する中、遂に惑星破壊兵器の頂点が動き出だした。入れ替わった〈スターダスト〉はいつでも発射出来る状態である為、後は指示が下されるだけだった。
発射指令が下された。
「オメガ・アナイアレイション・ランス、発射せよ」
オメガ・アナイアレイション・ランス。
惑星破壊兵器のコア内に設置された巨大な反応炉によって駆動され、地殻の下に存在する多数のシステムによって制御されている強力なエネルギー兵器。
巨大な反応炉からこの超兵器オメガ・アナイアレイション・ランスに供給され、使用されれば目標は跡形もなく破壊される。
「発射!」
それが今、発射された。
紅の光芒が《滅びの方舟》を襲い、閃光が宙域を覆った。
ズォーダーは方舟の中枢にて、〈スターダスト〉の攻撃を忌々しい顔で凝視していた。
「テレサめ……」
ズォーダーは”彼女”を憎む。相手は…テレサだ。
高次元世界にいるだけで、何も出来よう筈も無かったテレサは、よもや地球の〈ヤマト〉と同じくブリリアンスが《滅びの方舟》を阻止することを見通していたというのか?
ふざけるな!
千年の絶望、慚愧は全て無駄だというのか?
それに加え、だ。
《滅びの方舟》は、どうして防衛策を実行しない。一回は可能であったのに、それ以降は何故…?
何故だ、何故、己と一体化した筈の〈滅びの方舟〉は、指示を受けつけない?
何故。
何故。
何故。
何故!
「テレサめ…ッ!!」
憎しみを含めた言葉を放った直後、”彼女”の声が聞こえた。
「ごめんなさい」
「ッ――!?」
ギョッとして振り返る、ズォーダー。
そこには、方舟に身を捧げる際に共に生贄となったサーベラーが、何故か黒髪の姿で立っていた。それは、桂木透子として潜り込んでいたサーベラーの純粋体のコピーであった。
「サーベラー……お前が……? 」
制御機能は掌握していた筈なのに、まさか奪取したとでもいうのか? ズォーダーは驚きを隠せずにいた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ