第49話
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「殿下…………?ご自分の立場をお考えください。」
アーロンの提案にシェリド公太子が真剣な表情で頷くとナージェがジト目で注意した。
「コホン、もちろん冗談だとも。」
「ククッ、あの怖い姉さんに見つからないようこっそり行かねえとな。」
「っておい、本当にやりかねねえから煽るな!」
ナージェの釘指しにシェリド公太子が我に返っている中ある提案をしたアーロンにヴァンは真剣な表情で注意した。
「ふふ、皆さんは本当に不思議で楽しそうな方達ですね。」
「素直に喜んでいいのかどうか悩ましいところです…………」
ニナの感想にアニエスは困った表情で答えた。
「とにかくあたしたちはもう少しここで寛いでいくわ。パレードの時も含めて、今日も頼んだわよ。」
「了解だ。一応警備にも参加するつもりだしな。」
その後シェリド公太子達と別れたヴァン達は街を見回りながらの業務を再開した。
そしてパレードの時間が近づくと客達に交じっての警備を開始した。
12:00――――――
〜サルバッド・アルジュメイラホテル前〜
「サルバッドにお集まりの皆様方、長らくお待たせしました!只今をもって”フォクシーパレード”の開始準備が整ったことをお知らせする!」
街中の様々な場所に駐車している車に設置されているモニターに映ったゴッチ監督が宣言をするとサルバッドの人々は拍手をしながら歓声を上げた。
「だが――――――その前に一つ、伝えなければならないことがある。既に一部で噂になっていることじゃが…………昨夜、ベガスフィルム代表取締役のギャスパー・ディロン氏が逮捕された。」
ゴッチ監督の宣言に観客達はそれぞれ驚きの声を上げた。
「あー、諸々の事情についてはいずれ当局の発表があることと思う。『そんな時に映画祭など不謹慎だ』などの意見ももちろんあることじゃろう。だが――――――氏もまた映画祭の成功を願う”映画人”の人じゃった。その意志を汲むことを我々が選んだ意味、ご理解頂けると信じている。」
ゴッチ監督の驚愕の報告に驚いていた観客達だったがゴッチ監督の話の続きを聞くとそれぞれ拍手をした。
「どうも――――――どうも、ありがとう。…………昨今のカルバード両州の好景気は映画産業をも大きく成長させてくれた。だがそれが終わった時、かつてあった”分断”がまた起こるのではという声もある。――――――じゃが諸君も知っている通り映画の前に人種や民族、国境の垣根はない!誰もが等しく観客として最高の物語と体験を――――――氏の想いを受け止め、我々業界人も更なる飛躍のきっかけとする覚悟じゃ!」
「ゴッチ監督〜!」
「次回作も楽しみにしてるぞ〜!」
ゴ
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