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針は消毒すべき
第二章

[8]前話
「身体の中に入って」
「それでなんですか」
「はい、肝炎になりまして」
「身体が痒くなったんですか」
「はい、じゃあお薬出しますね」
 医師は症状がわかったのでだった。
 すぐに薬を出して治療してくれた、こうして幾多郎の痒みは収まったが。
 その後でだ、彼は祖母に言った。
「祖母ちゃんの言う通り針はな」
「火で炙らないと駄目よ」
「そうだったよ」
「火で炙って」
 そうしてというのだ。
「消毒しないとよ」
「バイ菌あったりしてな」
「膿を潰して悪いものを出すのはよくても」 
 それでもというのだ。
「別の悪いものが入るからよ」
「ちゃんと消毒しないと駄目だな」
「そうよ、だからこれからはね」
「気を付けるよ」
 孫は祖母に真顔で答えた。
「とんでもないことになったからな」
「ええ、けれどこれでわかったわね」 
 房江は孫に確認する様に問うた。
「針で刺す時はね」
「ちゃんと消毒しないとな」
「何でも身体に入れるなら」
「消毒しないとな」
「危ないわよ」
「本当にそうだな」
 肝炎が治ってからこうした話をした、そしてだった。
 以後彼はこうした時は常に消毒する様になった、そして大事なく過ごせた。もう肝炎等になることはなかった。


針は消毒すべき   完


                     2024・9・16
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