第一章
[2]次話
針は消毒すべき
できものができてだ、中学生の鍵谷幾多郎はそれを潰すことにした、茶色にした髪の毛で面長で目付きは鋭くファッションは不良っぽい。結構な大柄である。
「あったら鬱陶しいしな」
「あんた手で潰したら駄目よ」
道鏡している祖母の房江が言ってきた、穏やかな顔立ちで白髪は短く小柄である。
「針で潰した方がいいわよ」
「針かよ」
「針でさしてね」
できものをというのだ。
「中の膿を出すのよ」
「そうしたらいいんだな」
「下手に手で潰すとね」
祖母はそうした場合のことを話した。
「跡が残ったりするから」
「よくないか」
「あと潰さないね」
孫の左手にあるそれを見つつ話した。
「身体に膿が残ったままでしょ」
「だからよくないか」
「膿は悪いものだからね」
それでというのだ。
「出した方がいいのよ」
「鬱陶しいだけじゃないか」
「そう、ちゃんとね」
「潰すことか」
「そうしてね、ただ針を炙って」
祖母はここでこうも言った。
「消毒しなさいね」
「いいよ、そんなの」
こう話してだ、そのうえで。
幾多郎は針で海を潰すことにした、そして実際に潰したが。
後日彼は身体のあちこちに痒みが出て病院に行くと医者に言われた。
「肝炎になっていますね」
「肝炎!?俺そんなことになることは」
「していないですか」
「別に。ただこの前針で膿を潰しただけで」
「針消毒しました?」
医師は幾多郎にこのことを尋ねた。
「火で炙ったりして」
「してないです」
幾多郎はありのまま答えた。
「別に」
「ああ、それで細菌がです」
医師はその輪を聞いてすぐに言った。
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