6.降谷さんの激昂──phase:K.H.
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もの投げつけられたことには気付いてないみたいだけど、効果があるのは降谷さんと諸伏さんで実証済みだ。
しかし機動隊のエースにモヤシが追走するなんて《 スプリント 》やばいですね。
「……受け身を!」
私は聞き逃されないように声を張った。同時に、できるだけ爆弾から距離を取れるよう突き飛ばす。
萩原さんは反射的に従ってて、防火扉まで転がったけど頭をぶつけたりはしなかった。
突き飛ばしたのはモヤシだけど、萩原さん自身のダッシュの勢いも乗ってたみたいだ。
私は萩原さんに体当たりするようにしてとまると、彼と爆弾との間に立って、《 防御 》スキルを発動した。こんなに素早く動いたのは生身では初めてだ(ゲームでは主人公のスペックがそもそもすごいものね)。やればできるものですね。
この《 防御 》は最大5秒間、自分の被ダメージを90%軽減させるPvPスキルです。ノックバックも無効化されるから、私と、私の影にはいる萩原さんが爆風で壁に叩きつけられるのは防げると思う。
《 防御強化 》と合わせたらダメージカット130%だけど、つまり現状どういうことなのか私には分からない。爆弾の威力が私には分からないのです。
《 ストンスキン 》の軽減率に関しては覚えてないや。多分10%くらいだと思うけど。
きっと、全部合わせたら結構な壁になれるはず。
甘かったら、ごめんなさい。
眩しい。
そう思ったことだけ、覚えてる。
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色んな電子音が聞こえていた気がした。
誰かが、名前を呼んでいる?
……暖かい。
眠い。
電子音。
……。
暖かい。
暗い。
眠い。
……あかる、い?
「……汀!」
降谷さん、そんなに眉間に皺寄せたら、癖になっちゃいますよ。
えへへ、あのゲームにもそんなキャラがいたな。私、あのゲームも箱推しなんです。
「……お前っ……またそんな……なんで笑ってるんだ……こっちの気も知らないで……!」
ああ、そうか、謝らなきゃいけない。
でも、眠い。
もう一回寝てもいいかな、起きたら、ちゃんと、謝るから。
眠い、んです。
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私の意識がきちんと戻った時には一週間が経っていた。そ、そんなに。
途中途中ふっと起きたことがあったみたいなんだけどすぐに眠ってしまって、周りは気が気じゃなかったらしい。
「……お前、どこまで『視えて』いたんだ」
「……なんのことですか? 萩原さんは、大丈夫ですか?」
「自分の心配をしろ」
しゃりしゃりと
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