6.降谷さんの激昂──phase:K.H.
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ンに爆弾が仕掛けられてて、松田と萩原が解体に向かってるそうだ』
インカムから聞こえる諸伏さんの声に、降谷さんは息を詰まらせた。
『……これ、か……! まったく、犯人は朝から元気なことだ……』
やっぱり、爆弾事件、起きちゃったんだね。
未然に防ぐ力はなくて、ごめんなさい。
-----------------------------------
諸伏さんが第一現場と第二現場の位置を伝えてくれた。
ああ、私、第二現場に近いな。なんだか少し笑ってしまった。導きでもあるのかなって。歴史を変えてもいいんだよって後押しなのかもしれないなんて。……我ながら不謹慎だ。
「私は第二現場に近い所にいます。ゼロさんは第一現場に向かっていただけたら助かります」
『分かった』
諸伏さんは状況を調べて伝達してもらう係だ。
気を引き締めて、頑張ります。
萩原さんと松田さんをはじめ様々な人々が直面する一連の爆弾事件は、とんでもない数の人々を人質に取るとても卑劣なものだ。だから萩原さんたちのことがなくても、とめられるものならとめたいのが本音。
犯人をきちんと追えれば、捕まえられれば、すべてが収まるはずの事件。
だけど私には犯人を特定することができない。
容姿もあんまり覚えていない。警察学校組の大ファンとしては何度も見たものだけど、それは前世だからなあ……。
覚えてないものは覚えてないんだから、今できることをしなくっちゃ。
犯人に関して私が何かできるとしたら、爆弾犯が二人組であることを早めにタレこむことくらいなのかな。どう説明したらいいのか分からないから、《 超える力 》が発動したっぽくしてお二人に丸投げしようと思ってる。警察が複数犯なのを把握できていれば、何かが変わるかもしれない。
そのうえで。
もしタイマーが動き出したとしたら……私は爆弾を無効化することはしない。
それは犯人の一人が亡くなり残る犯人の憎悪が爆発したという証です。
そこから簡単に無効化してしまうと、残る犯人がどんな暴走を起こすか分からないと思ってる。
爆弾の無効化自体はやろうと思えば私にはできるんだと思う。
たとえば《 敵石化 》の魔土器で爆弾を固めてしまえたとしたら、つつくだけで砂のように崩れるはずだ。
あるいは、爆弾は罠にあたるだろうから、《 呪印解除 》の魔土器でそもそも消え去るかもしれない。
はたまた、萩原さんのほうの爆弾が仕掛けられるのは高層マンションの二十階だから、《 スキャッターガン 》で窓の外10メートルに吹き飛ばしてしまえれば、周りに被害を出すことなく空中で爆発してくれるかもしれない。
だけど、やらない。
マンションの皆さんのおうちを切り捨てるのは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ