6.降谷さんの激昂──phase:K.H.
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な。まあ、聞かないでおいてやるよ」
僕は苦笑だけして返した。『仲間』の彼は一体どんな様子だったのだろう。
「それで……彼女に何ができるのかを明かさないまま、『協力者』にすることはできますか?」
先輩は、にやりと笑った。
「それこそ……自分の『協力者』は何としても守るのがお前の仕事だよ」
----------------------------------- case : Reincarnator
「皆が皆、素行には何も問題は見られない……まあ松田が尖ってるのは殴り合いしてたお前ならよく分かると思うけど……その実、職務に関して大真面目なのが周りにも伝わるのは、時間の問題だろう」
諸伏さんはさっそく情報を持って帰ってきてくれた。
優秀過ぎませんか?
昨日と同じく、降谷さんのお家にて、三人で夜ご飯を作って食べています。
三人でキッチンに立つのはちょっと狭いけど楽しいですね。
ここに集まっているのは、あまり周りに知られていいことではないんだろうな。
だからか諸伏さんは今日はキャスケットと伊達眼鏡をかけて現れた。
素顔でうろついてる私も、きっと降谷さんも見習った方が良いのでは……?
見習って今度色々買いに行こうと思います。
「……変なことまで言わなくていい」
降谷さんがむすっとする。しかしすぐに彼はどこか宙を眺めながらふわっと笑った。
きっと、彼らの話をすることが楽しいんだろうなあ。学校でのことを思い出したりしてるんだろうなあ。
そんな様子を見て、私までなんだか心が暖かくなった。
「恨みをかってたり逆恨みされたりっていうのは、きっとない。だから可能性としては事件か事故だと思う」
「担当するものか、巻き込まれるものか……」
降谷さんの眉間に皺が寄る。
「皆それぞれの担当については今のところこんな感じ。しかし……巻き込まれだとしたら事件だろうと事故だろうと把握が難しいから頭が痛いな」
「……初日からこんなにキッチリありがとうございます。お手数をおかけしています」
「何を言うんだ。汀さんはオレたちの友人を心配してくれてるんだ。こっちこそありがとう」
何と答えたらいいのか分からないから、私はただただ眉尻を下げて小さく苦笑した。
必要だと思っているとはいえ、全ては語らず隠しているのは、やっぱり心苦しい。
「私の気のせいかもしれないのに」
「備えあれば憂いなし、って言うだろう」
そう言って笑いかけてくれる諸伏さんに、私は力なく笑った。
そうやって嫌な顔一つ見せず、疑いの言葉をかけることもなく、11月7日まで一週間近くも付き合ってくれた降谷さんと諸伏さんは、いったいどんな聖人なんでしょうね。
『……マンショ
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