5.降谷さんの動揺。
[10/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そして、そういう時期なら。
これは超える力によるものじゃないけれど。
「──ご友人に、危ないことが起きるかもしれません」
「な……」
「何だって?!」
助けられるなら、助けたいよ。
私はコナンという作品自体箱押しだけれど、中でも警察学校組の大ファンなのだから。
「どういうことだ……!」
私はまだくらくらするのを抑えながら、お伝えする情報を選ぶ。
どうしても嘘も混ぜないと私てきにはいけないから、こういう時はやっぱり少し心が痛む。
「あなたがた五人の卒業式の様子が頭に映って……とっても楽しそうなのに、見ている私はわけもなくなんだか、不安で」
多分この程度しか伝えるべきじゃない、と思う。
今はまだ不確定なはずの未来が、口にしてしまったら確定してしまうような気がして。
前世だと思う世界の中では物語だったから起こることは覆らないけれど、ここは現実だと信じているから。
だから、萩原さんと限定するのも日付を伝えるのも避ける。
近日中にその現場に遭遇するのは松田さんも一緒ではあるのだし、心配なのは変わらない。
「じゃあ、誰が危ないかもしれないのかは、分からないのか?」
「はい……」
嘘を重ねる罪悪感。
けれど助けたいと思ったからには、これくらい耐えるんだ。
「ふむぅ……これまで散々色々見たけど、君が言ったことは全部現実に起きた。だからどれだけ不思議なことだろうといったん信じたいと思う」
「ヒロさん……」
ああ、本当にいい人だなあ……!
私は切なくなった。
「ありがとうございます……!」
他方、降谷さんはじっと俯いて何事か考えているようだった。
そしてやがて、ぽつりと呟いた。
「しかし、僕たちは表立って動くことはできない。アイツらに連絡することもできない。加えて……連絡できたとしても、アイツらは実際に目にしていないから、何をバカなことを言ってるんだと一蹴される可能性は低くないと思う」
「確かになあ……」
うーん、と二人とも考え込んでしまった。
「あの、こっそりその三人のかたの行動をしばらく窺うことってできませんか?」
「ふむ……」
本当に二人にそうしてほしいわけじゃない。降谷さんがさっき言った通りのことと、彼らはきっと、とても忙しいはずだ。
二人にこのことを明かしたのは、私が動きやすくしてもらえたりしないかなという打算からです。
加えて勝手に動いたとなるとより一層怒られると思うから、一枚噛んでもらって、ある程度状況を知っていてもらいたいのです。
そう。私は、怒られることをしようと思ってる。
萩原さんのためというだけでなく、自分のために。
「なあゼロ」
「……なんだ?」
「汀さんを、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ