5.降谷さんの動揺。
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……他にもものすごく色々使えそうです。なんなんでしょう……私本当に人間じゃなさそうです……」
電子データがSFちっくに実態化してるとか??
……泣きたい。
降谷さんが目元に片手を当てて天を仰いでいる。
諸伏さんは頭を抱えるようにしてうずくまってしまった。
「……これ、とんでもない味方ができたんじゃないか?」
少しして、諸伏さんが言った。
そういうふうにプラスに考えてくれたことが嬉しくて、私は息を飲む。また泣きそう。
「そんなふうに思ってくれて……ありがとうございます……やっぱり私、自分が怖いです。こんなの、間違った使い方したくない。本当に……私を、ただしく使っ……導いて、くれませんか」
使う、なんて言い方をしたらお二人を困らせそうな気がした。
降谷さんが、私に少し近づいて、そして、頭にぽすんと手のひらを置いて、ゆっくりと撫で始めた。
「そうか。怖い……よな。お前自身が一番怖いだろう……ビビってすまない。その責任、引き受けよう」
「……ッ」
本当に。このかたは人タラシだ。
抑えきれなくなった涙がぼろぼろに溢れてきてしまう。
更に、横からぽんと肩を叩いてくれる手がある。
「オレは巻き込まれたからな。その力に君が潰れてしまわないよう、心身を鍛えるのに、喜んで協力するよ」
この人たちは……人を泣かせるんだから。
「……私のこんなわけのわからないのを知ったのが、お二人で、よかったです……」
心からそう思う。
しかしその時だった。
「──────────────────!!」
あたまが、痛い。
私は座り込んだ。
「汀?!」
「汀さん!?」
二人が慌てて支えようとしてくれているのが分かったけれど。
まさか──!
これは、《 超える力 》、だ──!!
こういうふうに、それを頼ろうなんて思いもよらない時にしばしば勝手に発動して、その時々の状況にピッタリ嵌まるビジョンを見せてくれる異能。あのゲームではそれで情報を補完され助けられたことが数多い。物語の中でも重要視されている『特別』とされた力。
今は──降谷さんと、諸伏さんと、萩原さんと、松田さんと、伊達さんの姿が見えた。
他愛ない日常……とても眩い友情の日々。
「……っ」
クラクラする。
「汀!」
「だいじょうぶ、です……まだ、あったみたい」
この力のことも、きちんと伝えなくちゃ。
「え?」
「お二人には、仲のいいご友人が、他に三人いらっしゃいますか?」
二人は絶句していた。
「そして、この前の九月に、警察学校を卒業なさったところ、ですね?」
やはり二人は言葉もない様子だ。
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